ニュース

インターシステムズ データベース事業好調、ISV取り込みで2割成長 統合プラットフォーム製品も投入

2004/10/04 21:11

週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載

 データベースソフト開発の米インターシステムズ(フィリップ・テリー・レーガンCEO)は、今年度(2004年12月期)の売上高が前年度比で2割以上増え日本円換算で約200億円に達する見通しを明らかにした。主力データベースソフトの「キャシエ」対応の業務アプリケーションを開発するISV(独立系ソフトウェアベンダー)の支持を取り付けたのが業績の伸びに結びついた。次期主力製品の統合プラットフォーム「アンサンブル」の事業も順調に立ち上がりつつあり、事業拡大に弾みがつきそうだ。

 データベースの市場は、IBMやオラクル、マイクロソフトなど大手ベンダーの競合が激しい。このなかで中堅ソフトベンダーのインターシステムズが右肩上がりの成長を続けているのは、業務アプリケーションを開発するISVの取り込みに成功した要因が大きい。同社は、病院など医療施設向けの業務アプリケーションを開発するISVを重点的に開拓し、主力のデータベース「キャシエ」対応アプリケーションソフトの種類を増やすことで成長してきた。

 データベースそのものは汎用的なものだが、医療関連ソフト開発のISVに向けた「支援策の拡充」(ポール・グラッブシード・戦略立案担当副社長)を進めたことから、この分野におけるシェアが高まった。米国内の病院で使っているデータベースのうち約8割を「キャシエ」が占めており、この実績を評価したIBMが医療分野を中心とした業務提携の強化を申し出て、9月からマーケティングの連携を強化した。

 次期主力製品となるデータベースや業務アプリケーションを結びつけるプラットフォーム「アンサンブル」に対する引き合いも順調に増えている。アンサンブルは、これまでのデータベース製品とは異なり、顧客先でのシステム統合作業が必要になる。このためISVだけでなく、システムインテグレータをビジネスパートナーに取り込む必要がある。

 昨年度(03年12月期)の時点で、世界で約1000社のビジネスパートナーを擁していたが、このうちISVが大半を占めている。今年度に入り、システムインテグレータの取り込みに力を入れた結果、「今年度末までに、新しく50-100社のシステムインテグレータが加わる見込み」(同)と、アンサンブルの販売に向けた基盤整備が進んでいると話す。

 アンサンブルの日本市場に向けた出荷は10月14日になる見込み。国内でのビジネスパートナーはISVを中心に約60社あるが、「アンサンブルの販売に合わせてシステムインテグレータの協力を得ていく」(インターシステムズジャパンの坂寄嗣俊社長)と国内でもシステムインテグレータのパートナー化に力を入れる。

 アンサンブルの事業は、これらパートナー施策をテコとして4年後の08年12月期には、「キャシエ事業と同等規模に育てる」(グラッブシード副社長)と事業拡大に意欲を示す。キャシエ事業は、今後08年までは、年率25%ベースで成長させていく計画を立てており、計画通りに進めば、両事業を合わせておよそ1000億円近いビジネス規模に拡大する。
  • 1