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日本ピープルソフト パートナー20社へ拡大 中堅企業市場への営業力強化

2004/11/08 21:15

週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載

 日本ピープルソフト(クレイグ・ハリデー社長)は、中堅企業向けERP(統合基幹業務システム)パッケージの「ピープルソフトエンタープライズワン」のビジネスパートナーを来年度(2005年12月期)末までに現在の13社から20社程度に拡大する方針を示した。販売やインテグレーションを手がけるビジネスパートナーを増やすことで、エンタープライズワンの拡販に力を入れる。

 「ピープルソフトエンタープライズワン」のベースとなっている旧ジェイ・ディ・エドワーズ(J.D.エドワーズ)の中堅企業向けERPパッケージのビジネスパートナーは、最も多い時期の98年当時で全国60社ほどが取り扱っていた。だが、それぞれのパートナーの販売力や提案力の差が大きかったことなどに加え、他のERP製品に押されて徐々にパートナー数が減少し、現在は13社まで絞り込まれた。

 過去にパートナーが増えた背景には、「とりあえずERPパッケージを取り扱えば売り上げが増える」と単純化して捉える傾向があった。だが、その後のビジネスの過程でパートナーの集約化が進んだ。

 しかし、ここにきて、これまで比較的弱かった関西エリアの市場開拓を加速させることなどを目的に、「関西地区の主に製造業に強いビジネスパートナーなどを増やす」(長谷川純一・執行役員セールスオペレーションズ本部長)必要性が高まってきたことから、来年度(05年12月期)末までには、「実力あるパートナー」(同)を中心に、現在の13社から20社程度にビジネスパートナーの数を増やす。

 競合するSAPなどのERPパッケージベンダーにおいても、中堅企業向けの品揃えや営業力を強化しているが、この点について長谷川執行役員は、「エンタープライズワンは、もともと中堅企業向けのERPとして開発されており、仕様や価格面で優位性がある」(同)と、投資対効果の面で競合する大手ERPベンダーに対する競争力の高さを指摘する。

 一方、中堅企業市場を狙う国産ERPベンダーに対しては、「国内製造業のなかには、いち早く海外市場への進出や、グローバルな生産体制を構築している中堅企業が多い。グローバル対応できる当社製品への支持は根強い」(同)と、国産ERPベンダーのシステムに対しても優位性があると話す。エンタープライズワンは、生産管理やSCM(サプライチェーンマネジメント)などの分野で多くの実績を持つ。

 今後は、旧日本ピープルソフトの主力ERPパッケージ「ピープルソフトエンタープライズ」の強みの1つであるCRM(顧客情報管理)の機能をエンタープライズワンと連動して動かせるようにするなど、ピープルソフトと旧J.D.エドワーズの統合の強みを最大限に生かしていく考え。また、統合前のエンタープライズワンの導入期間は平均約15か月ほどかかっていたが、統合後は9か月の導入完了を目指して、導入期間の短縮に力を入れている。導入期間が短ければ、ユーザーの負担軽減やコスト削減に結びつく。

 米ピープルソフトは、03年7月に、米J.D.エドワーズと合併しており、日本法人でも合併による相乗効果を最大限に生かすため、販売体制の強化に努めている。
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