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中国・蘇州 江蘇省初の日本人学校を開校 進出企業の家族を支援

2004/11/15 21:15

週刊BCN 2004年11月15日vol.1064掲載

【蘇州発】中国・上海から西約80キロに位置する蘇州(江蘇省)は、同地に進出する日系企業を支援する目的で、来年4月に江蘇省初となる日本人学校を開校する。「蘇州新区」などの工業団地をもつ蘇州は、ここにきて日系企業の進出が目立っているが、日本人向けの教育環境が整備されておらず、上海に家族を残し、単身赴任する日系企業社員も少なくなかった。現在建設中の日本人学校は、12クラスでスタートする。

 同地には、蘇州新区だけでIT企業を中心に約220社の日本企業が進出しており、最近では中小企業の進出も増えている。蘇州国家高新区管理委員会の谷光・招商局副局長は、「中小企業の場合、情報量が少ないため中国に来て戸惑うケースが多い。我々は進出企業が慣れるまで、会社の登記申告から税務手続き、生産設備の導入、人材の採用まで手助けできる体制づくりに努めている」とし、この一環として家族に対する支援策も積極化している。

 今年9月に設立した「中小企業支援センター」は、経営相談だけでなく、生活相談にも応じられるよう日曜日も利用可能。また、日本人向けのレストランやショッピングセンターの整備にも力をいれており、これに加え日本人学校を建設することで、教育面でのサポートも強化する。

 このほか、現地社員の採用にあたっては、地元紙への求人掲載や説明会の開催、新卒の場合は大学への募集案内の掲示、経験者の場合は政府が運用するデータベースシステムの検索などにより、当局が進出企業を支援する体制を築いている。

 日系企業を含む外資企業の蘇州への投資額(実行ベース)は、今年上半期(1-6月期)が前年同期比29%増の45億ドルと、上海の投資実績38億ドルを上回っている。
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