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東芝ソリューション リッチクライアント販路拡大へ ERP開発ベンダーとの連携促進

2004/11/15 21:15

週刊BCN 2004年11月15日vol.1064掲載

 東芝ソリューション(河村進介社長)は、自社開発のリッチクライアントシステム「ジェイフレームサーバー」の新規販路の1つとして、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)やシステムインテグレータなどが開発するERP(統合基幹業務システム)製品と連携しての販売を本格化する。これまでは直販が大半を占めていたが、他社製ERPの販路にジェイフレームサーバーを乗せることで拡販に弾みをつける。順次10社程度のERP開発ベンダーとの協業を進め、2006年度(07年3月期)末までに250システムの販売を目指す。

 東芝ソリューションでは、リッチクライアントシステム「ジェイフレームサーバー」の新規販路の開拓を目的に、ISVやシステムインテグレータなどが開発するERPとの連携を促進する。

 東芝ソリューションの舟城亮一・プラットフォームソリューション事業部商品企画部参事は、「ジェイフレームサーバーを、ウェブブラウザを使ったリッチクライアントの標準的なプラットフォームとしてERPベンダーなどに採用を働きかける」と、業務アプリケーションのリッチクライアント化の標準プラットフォームとして普及促進を図る。

 メインフレームやオフコンで開発されたレガシー(旧式)システムのオープン系システムへの移行や、クライアントに業務アプリケーションをインストールして使うクライアント/サーバー(C/S)方式からウェブをベースにしたリッチクライアントへ移行する動きが加速していることから、このタイミングで販路拡大を図り、拡販に結びつける。

 ジェイフレームサーバーは、JavaのプラットフォームであるJ2EEに準拠したリッチクライアントシステムで、パソコンなど個々のクライアント端末に業務アプリケーションをインストールすることなく、サーバー側で業務アプリケーションを実行できる。このため、クライアントの管理コストを削減でき、クライアントを経由した情報漏えいの阻止にも威力を発揮する。

 これまで、ウェブブラウザ上に業務アプリケーションの操作画面を表示させる方式でのリッチクライアント化は、動作速度が遅かったり、C/S方式に比べて操作性が著しく劣っているなどの問題点が指摘されていた。

 ジェイフレームサーバーは、こうした問題点を大幅に改善し、今年5月から本格販売を始めた。現状では大手システムインテグレータの一部のERPに供給を始めているほかは、大半が東芝ソリューションによる直販が占めている。

 今後は、直販に加えて、ERPベンダーへの供給数を増やしていくことで、06年度(07年3月期)末までに250システムの販売を目指す。クライアント数が多いほど、クライアントの管理コストを削減できる効果があることから、主に1000台規模のクライアントを抱える顧客企業からの引き合いが多いという。また、情報漏えい対策の観点から重要情報を扱う基幹業務システムへの適用を希望する引き合いも多い。

 ジェイフレームサーバーは、標準的な業務アプリケーションでサーバー1CPUあたり約100台のクライアントが同時に接続できるなど、サーバーに対する負荷が少ない。ライセンス料金は、サーバー1CPUあたり約135万円。また、業務アプリケーションがクライアントに分散せず、サーバー内のみで完結する仕組みであるため、ソフトウェアの改善なども容易で、業務の変化に合わせて柔軟に変更できる。
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