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NEC 販売店支援を強化 中堅・中小企業の需要掘り起こしへ

2004/11/22 21:15

週刊BCN 2004年11月22日vol.1065掲載

 NEC(金杉明信社長)は、コンピュータや通信機器などの販売パートナーへの支援を活発化する。販売店同士のアライアンス推進や、ウェブサイトを活用したビジネス支援のほか、経営基盤強化まで踏み込んだ支援施策も用意し、手厚く販売店をサポートする。外資系ITベンダーが低価格を武器に直販ビジネスを伸ばしているなか、NECはあくまで「外資系企業にはない全国を網羅する約370社の販売店との関係をさらに強化する」(細谷豊造・パートナービジネス営業事業本部長)姿勢を堅持。販売店との協業により、中堅・中小企業の需要掘り起こしを進める。

 NECが今年度下期(2004年10月-05年3月期)から実施する販売店への支援施策のなかでは、(1)販売店同士のアライアンス推進、(2)ウェブサイトを活用した営業支援、(3)販売店の経営基盤強化──の3つを主なポイントに掲げた。

 アライアンスの推進では、ネットワークに強い販売店と、コンピュータシステム構築を得意とする販売店とをNECが取り持って協業体制を築き、各販売店がこれまで手薄だった領域でも共同でシステム開発ができる体制を作る。

 また、販売店同士だけでなく、ITコーディネータを販売店に派遣し、案件獲得のための営業支援も行っていく。経済産業省が進めるIT経営応援隊との連携も検討中だ。

 細谷本部長は、「いくつか販売店同士のアライアンスで成功事例がある。成功事例をさらに増やし、その事例を販売店が簡単に共有できるようにする」と話す。

 また、ウェブサイトを活用した営業支援にも乗り出す。販売店がオンラインで注文を受け付けるウェブサイトの構築・運営をNECが請け負うことで、販売店が受注しやすい営業体制を構築する。すでに約50社の販売店がNECにウェブサイトの構築・運営を委託しているという。

 経営基盤の強化では、環境管理・監査の国際規格「ISO14001」の認証を独自に取得する場合に比べ、最大7分の1の費用で取得できる支援施策を始めた。さらに、来年1月からは「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」認証取得を、費用・時間ともに独自取得する場合に比べ約半分で取得できるように支援する。このほか、人材育成では、ITスキル標準(ITSS)に準拠したeラーニング講座を1500講座まで拡充した。

 細谷本部長は、外資系ベンダーとの差別化要素として、販売店との連携を強調しており、「30年以上パートナー(販売店)とビジネスをしてきた実績とノウハウは、外資系ベンダーにはそう簡単に真似できない強み。今後のビジネス拡大のカギを握る中堅・中小企業の開拓には、販売店との協業体制をさらに強めることが大事」と話している。
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