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日興通信 情報と通信の融合に手応え 顧客企業が1割増に

2004/12/06 21:17

週刊BCN 2004年12月06日vol.1067掲載

 日興通信(鈴木範夫社長)が、「情報と通信の融合」を打ち出して提供開始したシステム案件が好調だ。2004年度(05年3月期)上期までに顧客企業数が前年同期に比べ1割程度増えた。NECが提供しているITネットワーク統合システム「ユニバージュ」を武器に、新規顧客の開拓や既存顧客からの受注額増を実現した。

 新規顧客の開拓は進んでいるものの、その一方で中堅・中小企業(SMB)向けシステム案件の低価格化が進んでおり、今年度(05年3月期)の売上高は前年度並みの255億円程度にとどまる見通し。鈴木社長は、「SMB向けの製品販売は低価格が進んでいるが、総合的なソリューションを提供することにより、確実に利益を確保できるビジネスを行っていく」としている。

 同社は、昨年度まで情報関連機器と通信関連機器を販売する部門で分かれていたが、今年4月1日付で法人ビジネスを担当する「東京第一事業部」と官公庁や教育機関向けの「東京第二事業部」に営業部門を再編。両事業部に、通信系の保守やパソコンの保守などを手がける「ソリューションサービス部」を設け、情報・通信融合システムを提供できる体制を整えた。

 鈴木社長は、「昨年度までは、通信機器と情報機器の各営業担当者が製品別に営業していた。しかし、顧客のニーズに適したソリューションを提供することが重要と判断した」と、組織再編の理由を語る。ニーズに合わせた営業を行うことにより、「さまざまな製品を組み合わせた複合提案が可能となった。アウトソーシングを当社に委託する案件も出てきた」と自信をみせる。ある県では、全国農業協同組合連合会(JA全農)に対して企業向けIP電話サービス「IPセントレックス」を提案し、4500回線の固定電話網をIP化。加えて、IP電話のサーバー保守・運営を請け負うアウトソーシングの案件を受注した。この案件では農家も対象としており、今後1-2年で約2万回線のIPセントレックスを提供することを目指していくという。
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