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サイボウズ 海外事業をテコ入れ 10言語対応製品を発売

2004/12/13 21:17

週刊BCN 2004年12月13日vol.1068掲載

 サイボウズ(髙須賀宣社長)は、海外事業の見直しを図る。

 同社は、グループウェアの販売で2000年から海外市場に参入した。しかし「期待していた数字には遠く、販売が伸びていない」(青野慶久・副社長事業企画室担当)状況にある。このため今年から来年にかけて、製品開発・販売体制両面で抜本的な改革を実施し、「会社設立時と同様の伸び率を狙う」(青野副社長)考えだ。

 まず、10言語に対応した海外向けグループウェア「Share360 ver2.5」を1月中旬にリリースする。従来のターゲットだった米国企業だけでなく、非英語圏での販売も強化する。「(海外事業開始当初は)米国企業が大半になると考えていたが、実際はアジア地域からのダウンロードが多かったり、英語圏以外の国では無理して英語版を利用するユーザーもいるなど、世界各国で利用されていた」(青野副社長)という。そこで、中国語やフランス語、インドネシア語など合計10言語をサポートした製品を開発した。価格は10ユーザー版で898USドル(約9万1600円)。

 販売については、ダウンロードによる直接販売からパートナーを通じた間接販売に方針転換する。販売代理店100社を世界各国に設け、パートナー経由の販売を重視する。

 その一方で、「サポート体制をいかに強化するか」(青野副社長)が課題となっている。海外事業の組織体制では、「本社を中心に製品開発やパートナーサポートを手がける」(同)方針。このため、02年5月に米サンフランシスコに設立した米国法人を近く解散する。

 この新製品と新たな販売チャネルや組織体制で、「Share360 ver2.5」は、発売後1年間で売上高5000万円、導入企業250社を見込む。それ以降、2年目で3億円、3年目には8億円までに成長させる考えだ。

 サイボウズは、米国企業を中心に、これまで約750社の海外企業に導入した実績を持つ。だが、「02年度(03年1月期)の売上高4000万円をピークに減少傾向」(青野副社長)にある。青野副社長は低迷の要因を、「日本に比べ広告費が高い米国では、広告に多額の投資をしてダウンロードで直販するというビジネスモデルが利益を生む体制ではなかった」と分析している。
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