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NECフィールディング NEC製以外の保守サービス強化 ハード・ソフトともに提携拡大

2004/12/20 21:17

週刊BCN 2004年12月20日vol.1069掲載

 NECフィールディング(富田克一社長)は、保守サービス事業で、NEC製ハードウェアだけでなく、他社製のハードとソフトウェアの保守サービス事業にも力を入れる。サービス単価の下落や保守契約の減少で、保守サービス市場全体は縮小傾向にある。これまで手薄だったソフトの保守サービスと、NEC製以外のハードまで取扱製品を拡大させることで、停滞感のある市場環境を打破し、売り上げを伸ばしたい考えだ。

 ハードの保守サービスは現在、NEC製以外ではサン・マイクロシステムズのサーバーやEMCジャパンのストレージ、日本SGI製ハードなどを扱っている。このほか、「名前は明かせないが、他のメーカー数社ともアライアンスを組んでいる」(富田社長)という。だが、「協業体制を組み始めたばかりで、(他社製ハードの売り上げの割合は)保守サービス全体の1ケタレベル」(NECフィールディング)であることから、まだ拡大余地があると判断。来年度(2006年3月期)から積極化させる方針。

 富田社長は、「オープン化が加速した結果、顧客が1社のメーカー製品だけでシステムを組んでいるケースは皆無に等しい。他社製品も一括で面倒を見ることで顧客単価を上げる」と意欲を示す。

 ソフトの保守サービス拡大に関しては、ソフトメーカーとアライアンスを組み、保守サービスを手がけていく方針。「ソフトはハードに比べて複雑。自社のCE(カスタマエンジニア)だけでは、技術的に対応できない場合がある」(富田社長)というのがその理由だ。

 ハードの価格下落と競合他社とのサービス価格競争激化で、保守サービスの単価は急速に下落している。「今年度上期は、昨年同期比で10%もサービス単価が下落している」(富田社長)という。

 加えて、ハードの品質向上により、保守契約を結ぶ顧客も減少するなど、ハードの保守サービス市場は縮小傾向にある。

 このため、NECフィールディングは今年度上期に減収減益を強いられた。富田社長は、「従来のビジネス領域では急速な事業の拡大は不可能」としており、まずは保守サービスを提供するカテゴリの拡大で売り上げを伸ばす。
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