ひったくりや子供を巻き込んだ犯罪が相次いでいることを踏まえ、関西ではITを活用した防犯モデルの構築を目指す動きが活発化している。

 大阪では企業や自治体など38団体が参加する「大阪安全・安心まちづくり支援ICT活用協議会」が発足し、3年間の予定で活動を始めた。滋賀県大津市では地元のNPO(特定非営利活動)法人と産・学が連携し、将来のIPv6ベースの携帯端末による防犯システムを目指す実証実験が行われている。このほかにも積極的に取り組む自治体が増えており、IT活用防犯の流れが加速しそうだ。

 ひったくり犯罪が全国で最も多い大阪では、府が犯罪件数の半減を目標に掲げ、防犯体制の構築に乗り出している。昨年末に設立された大阪安全・安心まちづくり支援ICT活用協議会はこのほど初回会合を開き、3年間の活動をスタートさせた。会長にはNTTコミュニケーションズが人材を提供、幹事長は大阪市立大大学院の中野潔教授が務める。当面は、参加企業が持っているICタグ活用技術や自動販売機にカメラを組み込みネットワーク化する技術などをベースに、他の参加者からの技術面やシステム面での助言なども踏まえ、新たな防犯体制の構築を目指す方針。自治体などが行う実証実験にも協力していくことになるとみられる。

 一方、大津市ではNPO法人「西大津駅周辺防犯推進協議会」と地元のセンサーメーカー、立命館大学の「産学民」連携による子供の安全を守るための実証実験が始まり、2月初めには第2回の実地実験が行われた。現時点では、子供にデバイスを携行させて、IPv4ベースによる位置情報の認識や通信が主眼となっているが、将来はIPv6ベースの端末によるサービスへの展開を目指している。

 関西では、すでに大阪府池田市が携帯電話を活用した子供の安全を確保するためのネットワークを実用化しているほか、同じく大阪府豊中市でも「地域安心安全情報共有システム」の実証実験が行われている。自治体の取り組みが積極的なため、企業の有する技術のフィールドテストにも協力的であることから、ITを活用した新たな防犯システム構築の動きが加速するものとみられる。