富士通ビジネスシステム(FJB、鈴木勲社長)がICタグビジネスに乗り出した。値札ICタグを活用し、商品管理と顧客分析を可能とした「RFID接客管理システム」を宝飾業界向けに開発。宝飾チェーンのサダマツが運営する「ビジュソフィア」でこのほど実証実験を開始した。今年10月には本格的な商品化に踏み切り、さまざまなジュエリーショップへの販売を計画。他の小売業を中心に拡販を図っていく。

 「RFID接客管理システム」は、ICタグデータの読み取り機能を搭載した専用のトレイを活用し、来店者がどのような宝飾品を実際に手に取ったかをリアルタイムに収集する。ICタグに集まったデータは、店舗や本部にあるサーバーに蓄積し、顧客分析が可能。タッチパネル式の携帯端末を用意し、ショップの各スタッフが顧客の年齢や性別、好みといった付加情報の登録なども行えるようにした。オムロンと日精、フェニックス電子の3社がICタグやタグプリンタなどハード機器の開発を担当。FJBが宝飾業界向けに提供してきた業務システム「ウェブエーエス・ジュエリー」をベースにICタグ管理システムとして完成させた。価格は、1システムあたり20万円程度に設定している。

 ジュエリーショップでは、消費者が商品を購入する際、ガラスケースのなかの商品をスタッフに出してもらい装着して比較するのが普通であり、店員の接客が必要になる。顧客が選んだ商品のデータを基に顧客情報を分析することにより、商品の品揃えや仕入戦略、広告、販売プロモーションなどにつながるというわけだ。

 川嶋健司・マーケティング本部営業推進統括部ソリューション推進部担当課長は、「宝飾店の商品は単価が高いため、いかに多くの売れる商材を仕入れ、どのような接客で購入につながるかの分析への関心が高い。こうしたニーズに対応するには、ICタグの活用が最適だと判断した」と、宝飾業界に特化してICタグビジネスに乗り出した理由を語る。同社はジュエリー業界で200社程度の顧客企業を獲得しており、新しいビジネスを拡大させるために、「ニッチな市場ではあるものの、当社のシェアが高い」(川嶋担当課長)業界を選んだ。

 国内におけるICタグやRFIDなど電子タグの導入は、電波法改正の問題とタグの高価格などが原因で、欧米に比べて遅れている。実証実験としてシステムを利用する企業はあるものの本格的な導入は少ない。

 しかし、総務省が今年4月をめどに電子タグにUHF帯の周波数を割り当てる方針を示し、RFIDシステムを提供するベンダーは今年からビジネスが本格化すると見ている。FJBでも、「将来は、海外ブランドのバックや時計などを販売するショップを中心に営業のアプローチをかけていく」(川嶋担当課長)と、他の小売分野向けにも拡販していく方針を固めている。