ワイヤレス機器向け文字入力ソフト開発の米テジックコミュニケーションズ(ワシントン州)は、携帯電話向け文字入力ソフト「T9日本語版」の拡販に乗り出した。日本で販売されている携帯電話への搭載率は現在20%。これを06年までに80%までに引き上げる計画だ。日本市場に特化したソフトとして、漢字変換が容易になる「テキストインプット」をこのほど発売。さらに、2言語対応機能を搭載した新バージョンや、音声認識と手書き、文字入力の3機能を組み合わせた製品などを4月に発売する。

 米テジックコミュニケーションズは米アメリカ・オンラインの100%子会社で、1995年に事業を開始した。ワイヤレス機器向けのソフト開発を手がけており、携帯電話向け文字入力ソフト「T9」が主力製品。米国では、携帯電話向けの文字入力ソフトを開発する企業が少ないことから、同社のソフトの携帯電話搭載率は世界で80%を超える。

 ところが、日本ではハードメーカーが自社で文字入力ソフトを開発しており、T9の搭載率は20%にとどまっている。「日本では、携帯電話を使ってメールをやり取りするユーザーが多い。日本市場でシェアを増やせば、ワールドワイドのシェアを一層拡大することにつながる」(バイオレット・Y・ホワン・マーケティング・コミュニケーション・マネージャー)ことから、日本でのビジネス拡大を図る。

 日本で販売されている携帯電話機では、NECや松下電器産業などが一部の機種でT9を導入している。このほど発売した、文字入力の際に漢字変換を行っていたボタン操作を省略する「日本語版T9テキストインプット」は、NEC製の「FOMA N900iS」と「ムーバN506i」に搭載。今年に入ってからは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが採用することも決定した。海外向け携帯電話では、富士通やシャープ、東芝が英語版などを取り入れているため、「こうした日本企業に対して、日本語版のT9も採用するようにアプローチをかけていく」(ホワン・マネージャー)方針。

 日本語と英語の2言語に対応したソフトを発売するほか、文字入力と、音声認識や手書きの機能を搭載したソフトの2製品を加えることで、「携帯電話メーカーへのサポートを強化することになる。開発コストを大幅に削減できるソフトとして導入企業が増える」(ホワン・マネージャー)と期待している。