テストツールベンダーの米マーキュリー・インタラクティブ(カリフォルニア州)は、アジア・パシフィック地域の売上高で日本市場の占める割合を現在の約30%から早期に50%に引き上げる。日本のIT市場が企業情報化投資の回復で伸びていることに対応し、新たにシステムの品質向上とモニタリング(監視)を行う「MMS(マーキュリー・マネージド・サービス)」を積極展開し、ユーザー拡大を図る。

 マーキュリー・インタラクティブは、システムのテストツールやBTO(ビジネステクノロジー最適化)ツールのベンダー。2004年のワールドワイドの売上高は6億8550万ドルで、前年に比べ35%拡大した。このうちアジア・パシフィックの売上高が占める割合は約8%と小さい。しかし、アジア・パシフィックでのアウトソーシングビジネスの拡大や、インドや中国の大手企業によるシステムに対する品質向上のニーズが拡大していることで、同地域の対前年成長率は63%と大幅に伸びている。

 日本市場については、「世界第2位のIT市場であり、情報化投資が拡大している」(ウィルソン・タン・マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン代表取締役、アジア・パシフィック担当副社長)ことに注目。その一方で、「日本市場における04年の売上高伸び率は20%」(同)と、アジア全体から比べれば低い伸び率にとどまっていることから、日本市場で攻勢をかける。

 当面、大手ハードウェアベンダーやシステムインテグレータなど、既存パートナーでの導入に加え、それらパートナーからのエンドユーザー向けビジネス支援を強化する。これに対応し、新たにMMSを展開する。MMSは、マーキュリーがシステム運用に関わるインフラ、プロダクト、プロセスや人材を含めてサービス提供する仕組みで、導入によりユーザー企業はシステム運営コストの低減が図れるという。ユーザー企業にMMS導入を図ることで、サービス品質の向上につなげる。

 タン代表取締役は、「日本市場のポテンシャルは高い」として、05年は新サービス導入などの効果で、「04年以上の業績拡大」を狙う。

 また、日本市場でのマーキュリー製品およびサービスの普及拡大で、「アジア・パシフィック全体に占める割合について、少なくとも早期に50%を目指す」と、アジア・パシフィックの中でも成長著しいインドや中国を上回るスピードで事業拡大を図っていく考えだ。

 米国ではサーベンス・オクスリー法(SOX法)が02年に成立。ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックに上場している企業に対して、コーポレートガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令遵守)などが厳しく要求されるようになった。これにより情報システムもSOX法への対応や、IT革新も企業改革のために不可欠な要素となっている。

 米マーキュリー・インタラクティブは、企業によるSOX法や欧州IAS(インターナショナル・アカウンティング・スタンダード)への対応が活発化したことで、BTOやシステム運用の効率化ニーズにより大幅に業績を伸ばしている。