大阪府は、デジタルコンテンツ産業育成の一環として、2005年度にコンテンツ制作プロジェクトに投資するファンドを創設する。大阪府が6000万円を出資するほか、民間のベンチャーキャピタルからの出資も募り、5億円規模の基金とする考え。優秀なクリエイターを資金面で支援し、事業化を促進。将来的には、関西経済の強みとなっているデジタル家電との連携も視野に、デジタルコンテンツ産業の集積につなげたい考えだ。

 国によるコンテンツ産業育成の方針を受け、劇場公開映画などの大型案件に投資するファンドが東京などで組成されているのに対し、ブロードバンド配信やデジタル放送向け、携帯電話向けなどのデジタルコンテンツ制作には資金が回りにくい環境にある。大阪の場合、クリエイター向け教育機関も豊富で、関西人特有のホスピタリティに基づいたコンテンツを制作する人材が内外で活躍しているが、資金調達などは東京に依存している面があった。大阪府が創設するファンドは、資金面で、大阪でのビジネス環境を整えることが目的。

 プロジェクトあたりの投資額は最高2000万円程度を想定、基金総額が5億円程度であるため、約30プロジェクトが対象になるとみられる。同ファンドの投資で事業実績をあげ、「東京なども含めた民間資金を、次のプロジェクトに結びつける呼び水になれば」(大阪府商工労働部新産業課)としている。

 また、基金の組成と並行し、経済団体やコンテンツを利用する側のISP(インターネットサービスプロバイダ)や放送局などの民間企業と「デジタルコンテンツ産業振興協議会」(仮称)を設立し、有望プロジェクトの発掘や事業化に向けた指導なども行うプロデュース機能も整備する。

 コンテンツ産業の育成と集積を促進させることで、将来的には関西経済の強みであるデジタル家電との連携も視野に、産業の活性化を目指す。

 大阪府ではこれまでも、デジタルコンテンツ関連産業の振興に関する取り組みを行っている。民間を中心に、府なども協力して昨年5月にスタートしたパーソナルCGに関する「デジタルときわ荘」プロジェクトでは、今月18日に第1弾作品「TANK S.W.A.T 01(タンク・スワット・ゼロワン)」(原作・士郎正宗氏、監督・ロマのフ比嘉氏)の制作を発表、今夏公開の予定だ。