TKC(飯塚真玄社長兼CEO)は、これまで約260市町村の基幹業務システムを運用してきたが、市町村合併の影響によりユーザー数が最終的に150市町村程度に減少する見通しを明らかにした。これまでに35か所の市町村合併でシステム統合を受注しており、4月1日までに12か所の自治体で稼動開始しており、人口規模では大きく減少することにはならないという。基幹システムのユーザー数は減少するが、今後はフロント系システムや法律改正に伴う業務システム更新などの案件に注力していく考えだ。

 同社の自治体ユーザーは中小規模の団体が多いため、「吸収合併される側が多かった」(寺内博之・取締役地方公共団体事業部第一統括営業部統括部長)ことから、合併によりユーザーを失うケースが多かった。しかし、2002年から市町村合併に対応した営業戦略を展開し、これまでに35か所の情報システム統合を受注。そのうち7つの合併が完了しており、統合システムが順調に稼動しているという。

 基幹系システム需要は、市町村合併の終焉とともに一段落する見込みだが、「バックオフィスのIT化は進んだものの、今後は電子申請や施設予約などフロント系システムの需要が拡大するだろう。また、介護保険法の改正などで業務システムの更新需要も出てくる」(同)ことから、アプリケーション系のビジネスに注力していく方針だ。

 同社は4月1日から、「TKC行政ASP/電子申請・届出システム」の提供を開始。このASP(アプリケーションの期間貸し)サービスに対する無料体験サービスへの申し込みが50団体を突破した。寺内取締役によると、「フロントオフィス構築の手間を省くために、ASP利用が認知されつつある」としており、電子自治体構築を低コストで進めるために自治体のASP利用は拡大すると見ている。

 フロント系システムのASP利用が定着すれば、基幹系システムのアウトソーシングにもつながる可能性が出てくる。IDC(インターネットデータセンター)を備えている同社でも、「IDCの利用は長いスパンで考えていく」(寺内取締役)という。

 4月から提供開始するASPサービスはLGWAN(総合行政ネットワーク)、インターネットを介して利用する。基本サービス利用料金を1つのメニューあたり年間1万円からと低額に設定したのが特徴。現在、27種の申請手続きに対応しているが、今後100種程度に拡大するとともに、バックオフィスとの連携も図っていく。これにより2年後には700団体への導入を目指す。