日本ヒューレット・パッカード(日本HP、樋口泰行社長)は、携帯情報端末(PDA)「iPAQ」の昨年度(2004年10月期)販売台数が前年度比60%増と大幅に伸長したことを明らかにした。日本HPでは、02年以降法人向け販売に注力し、好調に推移しているという。「今年度(05年10月期)は前年度比1.5倍は確実」(山上正彦・パーソナルシステムズ事業統括モバイルビジネス本部プロダクトスペシャリスト)と見ている。顧客ニーズに対応し、今後はソフトウェアが充実してくれば、「IP電話による電話機能も可能」(同)になることから、拡販材料として検討していくという。

 日本HPのPDA「iPAQ」は、HPと合併した旧コンパックコンピュータが01年に販売開始した。HPとの合併前までは店頭を中心に個人向け販売が大半を占めていた。その後、02年の合併を機にPDAの法人需要を見込んだ戦略に変更。コンシューマ向け販売は直販サイトでの販売に絞り、「ビジネス用途拡大を見込み、法人向けにシフト」(山上プロダクトスペシャリスト)した。昨年度は「法人向けと個人向けの割合が8対2」になり、戦略が「身になってきた」と、手応えを感じている。

 今年2月5-20日に六本木ヒルズ(東京・港区)で日本語、英語、中国語、韓国語対応の館内ナビゲーション「六本木ヒルズ音声ガイドツアー」サービスを期間限定で導入したほか、今後も順次取り組みを進めて行く方針。

 03年後半以降、他社製PDAやハンディターミナルなど専用端末の乗り換え案件が急増。「顧客のニーズに合わせて自由にカスタマイズできることやラインアップが充実し、価格も下がった」(山上プロダクトスペシャリスト)とし、「専用端末と同じことをPDAでもできるメリットをアピールできた」(同)ことが販売増につながった理由だという。昨年は日産自動車と共同でPDAとRFID(無線タグ)を活用した中古車検索サービスを構築したほか、今年、住友信託銀行の外勤活動用に指紋認証機能付きPDAを700台導入した。

 山上プロダクトスペシャリストによれば、「想像もつかないような利用例もある」など事例は多様で、導入事例の反響が新規契約に結びつくケースが多く、販売増に寄与しているという。新たなニーズとしては、電話機能を載せて欲しいということなどから、今後はソフトウェアの面で対応できれば「IP電話による電話機能も可能」(同)になることから検討材料としている。

 同社では、ワールドワイドで同じiPAQを扱っており、世界で同じ端末が使えることや、生産台数が多いためにコストメリットが大きいため、「グローバル展開している企業の採用が多い」という。米国では10機種の展開をしているが、日本では現在5機種を販売している。個人情報保護法の完全施行に関連して指紋認証機能付きモデルも反響が増している。