NEC(金杉明信社長)は、2004年度(05年3月期)の学校向けパソコン出荷が前年度比2ケタ増となったことを明らかにした。文教市場は、「e-Japan戦略」の影響で一時は市場が活性化したが、普及率が高まり成熟市場となっていた。そうしたなかで、NECが実績を伸ばしたのは、「地域販売店の地道な販売努力が実ったから」(田中重穂支配人)という。

 文部科学省の「学校における情報教育の実態などに関する調査結果」によれば、04年3月末時点で、公立学校の高速インターネット接続は71.6%に達した。また、「コンピュータ教室1人1台の整備・普通教室2台・特別教室等6台を整備し、教育用パソコン1台当たり児童・生徒数の5.4人の割合を達成」という目標に対しては、「8.8人/台」を達成しており、導入はほぼ一巡した。

 e-Japan戦略で導入は一巡したが、「それにも関わらず、当社の出荷実績が大きく伸びた要因の1つは、地域販売店の地道な営業が実った結果。国の施策のように大規模な導入需要ではなく、地元の学校への営業アプローチが功を奏した」と田中重穂支配人は明かす。

 同社のビジネスパソコンを担当するビジネスPC事業部は、2年前からパートナービジネス営業事業本部内の事業部の1つになった。「販売店に近い立場となったことで、学校案件にもプラス効果があった。システム商談売り上げのうち、パソコンが占める割り合いは年々低下傾向にあるが、販売上の工夫によってまだまだ売り上げが伸ばせることの証明」と田中支配人は分析している。

 小・中学校向けの案件は商談が上半期に集中するものの、04年度は下半期も好調だった。その要因は、大学向けの「VersaPro(バーサプロ)キャンパスモデル」を04年10月に発売し、大学需要に注力したことだ。

 キャンパスモデルは大学生の購入を想定したモデル。ビジネスPC事業部の製品ながらコンシューマ製品同様リサイクルマーク付きのパソコンリサイクル対象商品とした。

 「コンシューマ用モバイルノートパソコンに比べ、低価格で機能が豊富なことが特徴。昨年度に初めて発売し、ある程度の需要が見込めたことから、今年度も下期に新製品を投入する予定」(田中支配人)としている。キャンパスモデル独自のニーズなど販売店側からのリクエストがあれば、それに応じていく計画だ。