関西における情報系クラスター振興プロジェクトを進めている関西IT共同体(KISS)は、コミュニケーションの変化に対応した新たなシステムの開発に乗り出す。2004年末から始動させた「コミュニケーションデザイン・フォーラム(CDeF)」(座長・西川 一大阪工業大学学長)の活動を本格化し、ヒューマン・インタラクションと総合的なITビジネスの仕掛けという2つのアプローチから具体的なテーマをピックアップし、商品化や新たな社会システムの構築につなげたい考えだ。

 KISSは、情報系クラスター振興プロジェクトの推進組織として02年夏から活動を開始し、現在では参加企業470社、協力大学15校となっている。しかし、関西を基盤とするという特色は十分に発揮されていないため、CDeFを通じて、ITと他産業との融合などの独自性を打ち出す計画。昨年末にプレ会合を開催するとともに、コミュニケーション分野でブレークスルーをもたらす可能性のある技術の紹介や研究施設の視察を行ってきた。

 こうした活動をベースに、05年度から具体的なプロジェクトのスタートを目指す。CDeFには65社の企業会員も参加しており、意見交換などを通じて教育市場開拓や映像コミュニケーションなどの提案も出てきている。今後、独創的技術の事業化や社会課題を解決するための新たなITシステムの開発を切り口として、産学や産産、産官学、学学など複数者によるアライアンスや共同開発プロジェクトを構成し、実用化に向けた活動を進める。当事者同士だけでなく、参加者の意向を踏まえてプロジェクトメイキングを行うコーディネータも活用することにしている。必要に応じて、関西文化学術研究都市における研究とも連携を図る考えで、単なる研究ではなく、実用性のある成果の獲得を目指す方針だ。