【ソウル発】最近、韓国のIT業界で最も人気の高いイニシャルは「U」である。ユビキタス(Ubiquitous)の頭文字を意味するUはインターネットのi、電子産業のeが占めていたポジションを奪い始めている。eラーニングに代わってUラーニング、e政府の代わりにU政府という言葉も使われ始めた。また、インターネットユーザーのことをネティズン(Netizen)と呼んでいたが、ユビキタス環境の中で生きていく人々という意味でユティズン(Utizen)という新しい言葉まで登場した。

 3月中旬に韓国・情報通信部が2004年から運営しているソウル市にあるユビキタスドリーム展示館がリニュアールオープンしてから、IT業界だけでなく一般市民までもユビキタスに興味を持つようになった。

 ユビキタスドリーム展示館はUホーム、U街、Uオフィスなどの仮想空間を再現し、ユビキタスのお陰で経験できる新しい生活をそのまま見せてくれる。手首につけたパソコンを玄関ドアにかざすと家に置いてある認識装置が作動し、主人を確認してドアを開け、カフェでお茶を飲んだりお店で品物を買ったりする時も手首のパソコンがIDになるため、レジが買い手を認識し素通りするだけで会計できる様子を見せてくれる。

 U街では利用者の日程に合わせたバス路線情報とバス到着時間を案内してくれる知能型停留場を体験できる。

 ユビキタスドリーム展示館は韓国を訪問するIT企業のトップが必ず訪問する必須コースの1つとしても有名だ。最近ではルーセントテクノロジーのパトリシア・ルーソー会長が訪問し、04年はソニーの出井伸之会長、米国マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO、ヒューレット・パッカードのカーリー・フィオリーナ前CEOもここを訪れた。

 ドリームという名前が付いているが、ここで見せてくれる技術は未来の夢物語ではない。今すぐでも実現できる技術もたくさんある。代表的なのが知能型停留場だ。まだ初期段階ではあるが、ソウルや主要都市の交通情報システムは初期のユビキタス停留場に近い姿となっている。

 ソウル市はバス運行情報システムを導入・運営している。バスと総合司令室を有線および無線ネットワークで結び、バス到着時間と現在位置などをリアルタイム送受信するシステムだ。バス停留場に設置された電光版はもちろん、無線インターネットが使えるPDA(携帯情報端末)や携帯電話からも自分が乗ろうとしているバスの現在位置と到着時間情報などをリアルタイムで把握できる。現在、一部の区間でテストサービスされているが、すぐ全地域に拡大し実施する計画だ。

 教育分野でも4月中旬からソウル市内の高校を中心にUラーニング研究学校が本格的に運営される。KT・インテル・マイクロソフトがコンソーシアムを構成し、タブレットPC100台、PDA350台、無線ネットワーク装備、学習用コンテンツを無償提供する。中央省庁の教育部は今年、有線および無線それぞれ8校ずつ合計16の研究学校を運営し、Uラーニングによる次世代学習および学校モデルを研究する計画だ。

 この他にも観光情報を案内するUトラベルやアパートにユビキタスを取り入れたUアパートなど、生活のあちこちでユビキタス技術の適用事例が登場している。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)