スペインのウイルス対策ソフトメーカーであるパンダソフトウェア(ビルバオ市)が、昨年10月に参入したばかりの日本のコンシューマ市場でのビジネスを加速させる。来年末までにコンシューマ向けウイルス対策ソフト市場で、シェア10%を目指す。スペインでは、シェア70%を占めているパンダソフトウェアが、大手ベンダーの寡占状態が長く続いている日本市場をどのように開拓していくのか。コンシューマ事業を統括するイグナシオ・アヤルベ・リテールビジネスユニットディレクターに聞いた。

 ──日本のコンシューマ向けウイルス対策ソフト市場の特徴を、どのように捉えているか。

 品質に対する要求が極めて厳しいマーケットだ。製品の品質だけでなく、サポート体制の充実などもユーザーは重視している。あらゆる面で品質が悪ければ受け入れられない市場だと感じている。日本市場に参入したことで、当社の品質向上に対する施策も強化した。日本のコンシューマに受け入れられる品質レベルに達している自信はある。日本は、ウイルス対策ソフト市場で世界第2位の規模であり、ビジネスチャンスは大きい。精力的に販売強化施策を打っていくつもりだ。来年末までにコンシューマ市場で10%のシェアを獲得を目指す。

 ──ウイルス対策機能はすでに、どのベンダーでも差がない印象を受ける。ブランド力を持った大手ベンダーが圧倒的に有利だが。

 技術での差別化は今でも十分に可能だ。当社は、定義ファイルを更新しなくてもウイルスを検知・駆除できる「ふるまい検知技術」を持っており、これは他社にはない技術で優位性がある。最近は、セキュリティホールが見つかってから数時間後にウイルスが発生するケースもある。近い将来には、定義ファイルが間に合わない場合も出てくるだろう。定義ファイルに依存しない対策技術が、今後必ず必要になり、当社の優位性が発揮できる。

 ──日本市場での今後のシェア拡大施策は。

 まずラインアップを増やす予定だ。現在はウイルス対策ソフトしか投入していないが、今夏までにはウイルス以外の不正プログラムも検知・駆除できる製品をリリースする。さらに、パソコンへのバンドルや、ISP(インターネット接続業者)とのアライアンスによる販売を始める計画で、現在数社と交渉段階にある。ショップやダウンロード販売に加え、販売チャネルも増やしていく。

 ──マイクロソフトがウイルス対策ソフトメーカーを買収しており、ウイルス対策ソフトを発売することも考えられる。市場への影響は少なくない。

 マイクロソフトの市場参入を私は歓迎している。マイクロソフトがウイルス対策ソフトを出すことで、情報セキュリティ対策に関する消費者の関心はさらに高まり、市場が広がると見ているからだ。ライバルが増えることになり競争は厳しくなるが、当社はウイルス対策に特化して11年間ソフト開発を行っており、先進技術を研究し続けている。技術の優位性やウイルス対策ソフトでのノウハウは武器であり、十分に太刀打ちできる。