データの変更検知・改ざん復旧ソフトを開発・販売する米トリップワイヤ(オレゴン州、ジム・ジョンソン社長兼CEO)の業績が拡大している。売上高は昨年度(2004年12月期)、ワールドワイドで前年度比30%増を記録し、今年度も引き続き同30%増で推移。日本市場でも前年度比70%増で成長している。米トリップワイヤのジョンソン社長兼CEOがこのほど来日、日本市場での期待などを語った。

 ――業績が好調な要因は。

 米国、日本など国を問わず、情報セキュリティに対するニーズの高まりが好業績を支えている。ただ、それだけではない。中心となる製品「トリップワイヤフォーサーバーズ」のサーバー上のデータ変更・改ざん復旧機能は、セキュリティ対策という点以外からも注目されている。ネットワークを正常な状態で稼動させるための運用管理として導入する場合もある。

 コンプライアンス(法令遵守)の強化という面からも、データの変更検知の必要性を感じているユーザーが増えている。当社製品をさまざまな角度から見てもらえるようになったことも、業績が伸びている要素だ。

 ――昨年度(04年12月期)の日本法人の売り上げは前年度比70%増という高い成長を記録した。日本市場の特徴をどのように捉えているか。

 日本のユーザーはセキュリティ対策として当社製品を導入するケースが多かった。ここ最近は、4月1日に「個人情報保護法」が完全施行されるなどコンプライアンスの強化という点から導入が進んでいる。日本はコンプライアンスに対する意識はまだ米国よりも低く、潜在需要は大きいと見ている。今の成長率は今後も続くと感じている。

 また、顧客単価が上がっていることも挙げられる。これまでウェブサーバーに導入するケースが大半だったが、アプリケーションサーバーなど複数のサーバーに導入するユーザーが増えていることも大きい。

 ――トリップワイヤだけでのトータルセキュリティソリューション提供は難しい。M&A(企業の合併・買収)を含め各社との提携の可能性はあるか。

 1社だけで提供しようとは思っていない。すでに日立製作所の「JP1」や米ヒューレット・パッカード(HP)の「オープンビュー」などの他社製運用管理ツールから当社の管理が可能になっている。他社ソフトとの連携は進めており、事業戦略上アライアンスは必須である。

 ただ、今のトリップワイヤは、データの変更管理・復旧に専念しており、M&Aで他社技術を取り込もうとは考えていない。売り上げの約20%を研究・開発に投資しており、自社技術の向上を進めることが先決だ。

 ――研究・開発で力を入れる分野は。

 対応するネットワークやプラットフォームの数を増やすことだ。ネットワークにつながるあらゆるデバイスを網羅できるように対応プラットフォームの拡充を進める。