コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)とビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は、各企業におけるライセンス管理体制の整備をサポートするための啓蒙活動として「ソフトウェアライセンス再点検全国キャンペーン」を7月29日まで行う。キャンペーンでは、中小企業の経営者向けにソフトウェアの管理体制不備によるリスクとライセンス再点検を促すことを徹底。さらに、ユーザーはソフトウェアを販売するリセラーへ相談を持ち込む場合が多いことから、ユーザーのコンサルティング的な役割を担っているリセラーへの情報提供も強化し、パートナーとして重視していく方針だ。

 キャンペーンは、まず4月27日の福岡に続き第2回を5月16日に大阪で開催した。キャンペーンではBSA日本担当顧問を務めるTMI総合法律事務所(東京都港区)の石原修弁護士が「管理体制不備におけるリスクとその予防策」、ACCSの葛山博志・戦略法務室室長がライセンス再点検を促すためツールの活用やソフトウェア管理におけるメリットを中小企業の経営者向けに講演した。

 BSAの調査によると、2003年の日本の違法コピー率は29%、04年は28%で世界で8番目に低い結果となったが、損害額では世界ワースト6位だった。

 ACCSとBSAによる著作権侵害通報件数の調べでは、04年は2321件で02年の約1.5倍。法的リスクを現実的に考えると、違法コピーが発覚した場合、例えばソフトウェアのライセンス料と損害賠償金、和解に関する弁護士費用などを含めて、正規に購入した場合の2倍以上の費用がかかる場合もあるという。ソフトウェアの違法コピーは「わりに合わない」(ACCSの葛山室長)というわけだ。

 社内の管理体制では、「経営者側が経費削減のために意図的に違法コピーをしているケースはあまりない」(石原弁護士)。経営者は自分の会社には関係ないと判断し、結果的に放置していることになってしまう。しかし、デジタル情報であるソフトウェアのコピーは、「インターネットやLANを経由するなどで可能」なため、従業員のモラルに委ねていては防ぐことはできないという。

 ある事件の場合、90%以上が違法コピーだったこともある。また、その他の事件の判決では、違法コピーを漫然と放置したことや防止に関する管理体制の不備を重過失と認定し、代表取締役の個人責任(商法266条の3)を認めたケースもあった。

 こうした事態を避けるため、意識的な管理が必要になり、経営者には情報資産管理体制の強化が強く求められている。著作権侵害の罰則は、今年1月1日から刑事上の請求限度が、行為者に対し懲役が従来の3年から5年に、罰金も最高300万円から同500万円に強化された。法人の場合は、罰金がこれまでの最高1億円から同1億5000万円に引き上げられた。

 違反によるリスクはきわめて大きい。このためソフトウェア管理をすることで、結果的にソフトウェア購入費の削減になることや、コンピュータシステムの安定にもつながるメリットは言うまでもない。

 BSAとACCSでは、企業が社内のソフトウェアの利用状況を再点検することが違法コピー予防の第一歩として、来場者にソフトウェア管理のチェックシートやCD-ROMなど各種ツールを配布し、積極的なサポート体制をアピールした。