SAPジャパン(藤井清孝社長)はこのほど、日本の商習慣への対応を強化した中小企業向けERP(統合基幹業務システム)の最新版「SAPビジネスワン2004B(2004B)」の出荷を開始した。同社の中小企業市場向けERPは、昨年7月に国内で初出荷し、これまで約200セットを販売した。今年度(2005年12月期)は、国内のパートナー体制を固め、昨年度以上に積極的な拡販を行う。2004Bの「1次店」と呼ぶパートナーは現在、大手メーカー系販社など22社。今年度は1次店を介し、システム導入や保守・サポートのノウハウを持つ「2次店」を増やす計画だ。

 2004Bは、昨年7月に出荷した前バージョンの「SAPビジネスワン」と比べ、MRP(資材所要量計画)や部門別管理、データ所有権限、消費税処理、原価管理、銀行決済を行う「ファームバンキング」など、ユーザー企業から要望の多かった日本の商習慣に対応した機能を強化した。「2004Bは、販売、購買、MRP、CRM(顧客情報管理)などのデータをリアルタイム連携できるERP。生産管理だけでなく、幅広い業種・業態から引き合いがある」(渡邊俊亮・ビジネスパートナー第二営業部部長)と、拡張性の高さを強調する。

 また、2004Bはユーザー企業別のカスタイマイズが容易で、同社のSDK(ソフト開発用ツールキット)を利用して、手形ソフトや固定資産管理ソフトなども簡単にリンクでき、リアルタイム連携が可能になる。

 想定しているユーザー規模は「100人規模にも対応できるが、メインは10-30人規模」(渡邊部長)というから、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、ピー・シー・エー(PCA)、OSK、応研など国産ERPメーカーが得意とするジャンルに真っ正面から乗り込んでいこうとしていることになる。

「会計ソフトからスタートした国産のERPと違い、元々ERPソフトとして開発しているので、使い勝手が違う」(渡邊部長)点などを強調しながら売り込んでいく意向だ。

 販売ルートについては、中小企業向けERPであるため、「システム導入に加え、保守・サポートを補完するベンダーが必要」(町田彰宏・ソリューションマーケティング本部SAPBusinessOneマネージャー)と、パートナーとして地場の有力システムインテグレータなど「2次店」を積極的に開拓する。

 昨年は、2次店向け支援を行う「パートナー会」を結成。すでに100社程度が加入しているが、さらに強化する。同社が7月7、8の両日に開催する年次イベント「SAPPHIRE」でも、例年に比べ中小企業向けブースを大幅に拡大する。

 今年度は2004Bの拡販を昨年度以上に活発化。将来的には、年間500─1000社程度への納入を目指す。