米マカフィー(カリフォルニア州、ジョージ・サムヌーク会長兼CEO)は、買収戦略によってセキュリティ対策製品・サービスを広げている。同社では、企業が施さなければならないセキュリティ対策を4つのフェーズに分類。「この4つのフェーズすべてをマカフィーは網羅している」と、マーケティングを担当するロビン・マトロック上級副社長は自負する。セキュリティ対策大手のマーケティングのトップは、情報セキュリティのニーズをどのように捉え、販売戦略をどう描いているのか。

 ──マカフィーは、複数のセキュリティベンダーの買収を重ねている。今の情報セキュリティ市場をどう捉え、どのようなマーケティング戦略を打つのか。

 セキュリティ対策は複雑化し、1社の技術だけで提供するのが難しくなっている。だから、先進的なテクノロジーを持ったセキュリティ会社を買収してきた。

 今、企業が施さなければならない対策は、「資産管理」、「リスク管理」、「ブロック」、「コンプライアンス(法令遵守)」の4カテゴリーに分類できると考えている。マカフィーは、数々の買収を重ねてきたことで、この4カテゴリーを網羅する製品・サービスを揃えることができている。

 「資産管理」や「リスク管理」に位置付けられる脆弱性やセキュリティポリシー管理ソリューションは、まだその必要性が浸透していないような気がする。まずは、「今、企業に必要なセキュリティ対策は何か」を訴えれば、広範囲な製品・サービス基盤を持つマカフィーの優位性が発揮できる。

 ──日本市場でのビジネス拡大に向けての方針は。

 日本の顧客は新しい技術に慎重な態度を示す傾向が強い。先日発売した脆弱性管理ソリューション「ファウンドストーン」は日本では馴染みのない分野であり、発売直後は他地域に比べ立ち上がりは遅いかもしれないが、マーケットは広い。先端的な製品に関しては、ウイルス対策製品などですでに当社の顧客となっている大企業にまずはアプローチする。そのうえで、啓蒙活動を進め、徐々にユーザーの裾野を広げたい。

 ──SMB(中堅・中小企業)向けのビジネスについて。

 SMB市場は非常に重要な市場であると受け止めている。特に中小企業の市場は、ワールドワイドで約25%はウイルス対策ソフトを導入していないというデータがある。市場規模は大きい。中小企業を獲得するキーワードは「先進性」ではなく「簡単な操作性」と「シンプルさ」だと感じており、新たな販売・製品開発戦略を打ち出す必要があると考えている。

 ──米シマンテックは6月末に米ベリタスソフトウェアの買収を完了する。マカフィーも同様の道を進むことになるのか。

 不正アクセスの技術はこの数年間で非常に複雑化してきた。それに対抗するためのセキュリティ対策も非常に高度なレベルが要求される。複数のジャンルにまたいでビジネス展開できるほど楽な分野ではなく、セキュリティに集中していなかければならないと考えている。他社がどのような戦略であろうと、マカフィーはセキュリティに特化し続ける。