【上海発】現地報道によると、世界65か所以上の国・地域でビジネスソフトウェアの権利保護支援活動などを行う非営利団体、BSA(ビジネスソフトウェアアライアンス、本部・米ワシントンDC)のロバート・ハリマン会長兼CEOはこのほど中国を訪れ、北京市、上海市の政府関係者とソフト産業の発展および知的財産権保護について会談した。

 各市政府への訪問のなかでハリマン会長兼CEOは、中国のソフトの知的財産権保護に関する努力を評価し、謝意を表明。2004年8月から国務院が全国で行っている「知財保護特別アクション」や、中央政府が率先して正規版ソフトの利用を徹底すること、各地方政府は正規版化の用意をすることについて国務院から命令を下したこと、立法面では「知的財産権に関する刑事案件の適用法律の若干解釈」(04年12月・最高人民法院と最高人民検察院)と「インターネット著作権行政保護弁法」(05年4月・国家版権局と情報産業部)が発表されたことなどについて、特に注目すべき点として言及した。

 ハリマン会長兼CEOは、「中国政府や産業機関がこのようなアクションを取ったことをうれしく思う」と評価したうえで、IDCが発表した最新の世界海賊版調査結果によると、04年度のパソコンソフトの不正コピー率は35%に上り、330億ドルの損害が発生し、ソフトの3分の1が不正コピーであることを強調。特にアジアでの不正コピー率は53%で損害は79億ドルに上り、不正コピーのもたらす損害は、課税、就職、発展機会などで経済的に深刻な影響を与えているとした。

 その上でハリマン会長兼CEOは、「中国では、政府や各産業協会と緊密に連携しながら著作権保護を強め、公共意識を高めている。また、BSAは国家版権局と協力して中国各地でソフト資産管理トレーニングセミナーを開いたり、政府などの機関が主催する知財保護に関わる活動に参加・支援している。ソフト産業が健全に発展できる良好な法律や市場環境を作るため、BSAは今後も中国政府や産業協会と協力していく」と述べた。

 また、ハリマン会長兼CEOは、中国のソフト産業が今後大きく発展する可能性があることを指摘、BSAがその実現に協力することを表明した。

 IDCの調査によると、中国のソフト市場は、安定した経済成長やITインフラが整いつつあること、民営企業のニーズ拡大などにより、25.8%の成長率と07年には62億4000万ドルの市場規模になると予測している。

 ハリマン会長兼CEOは、「産業が急速に発展するなかで、知財保護が最も重要な役割を担っており、世界中の数多くの国の発展がこれを証明している」とし、BSAは中国市場に知財保護分野のグローバルベストプラクティスとプランを提供し、知財保護や産業振興の推進に協力すると語った。
魏 鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所担当)