インテル(グレッグ・ピアーソン/吉田和正共同社長)は、2007年末までにサーバー向けCPU(中央処理装置)に実装するCPUコアの複数化率を出荷ベースで100%に高める。現在は1台のコンピュータに複数のCPUを搭載して処理速度を高める手法が主流だが、インテルでは1個のCPUの内部に複数のCPUコアを格納することで、省電力で効率良く処理が行えるようにする。また、05年第4四半期(05年10-12月)には、サーバー向けCPUの64ビット化率を出荷ベースで100%近くに高める。

 複数のCPUコア(デュアルコア・マルチコア)を搭載したインテルのCPUは、すでにデスクトップパソコンおよびローエンドサーバー向けに一部出荷を開始しており、年内から来年初めにかけてハイエンドサーバー向けのCPUにデュアルコア・マルチコア搭載製品も順次出荷する見通し。ノートパソコン向けのCPUは来年中をめどにデュアルコア・マルチコアに対応する。

 デュアルコア・マルチコアでは、独立したCPUコアを1つのCPUの中に組み込むことで、複数の処理を同時に行う“並列処理”を実現し、処理速度が高まる。インテルでは、今年から来年にかけて、サーバーからノートパソコン向けまで、ほぼすべての製品向けに複数のCPUコア製品を供給する。並列処理への需要が高いサーバー分野では、07年末までに出荷ベースで複数コア化率を100%にする計画を立てる。デスクトップパソコンやノートパソコン向けのCPU製品では07年末までにおよそ90%が複数コアに置き換わると予測する。

 1つのCPUで並列処理をすることで消費電力も抑える。「CPUのコアが2つになっても消費電力が2倍に増えるわけではない」(廣田洋一・エンタープライズ&ネットワークソリューションズ本部プラットフォーム&ソリューション部長)とし、消費電力の増大が問題となっているサーバーの電力問題の解決策の1つとして売り込みに力を入れる。

  CPU内のコアが増えることで、1台のコンピュータが複数台のコンピュータであるかのようにコンピュータ資源を分割する技術などを指す“仮想化技術”にも役立つという。

 インテルでは、CPUの処理速度を高める技術として、CPUの64ビット処理化も推し進めている。同社のサーバー向けCPU製品「ジーオン」と「アイテニアム」シリーズで、04年第4四半期(04年10-12月)の出荷ベースでの64ビット化率は約50%だったが、05年第4四半期(05年10-12月)では、同64ビット化率をほぼ100%に高める。従来の32ビット処理よりも、64ビット処理の方が処理効率が高く、この64ビットCPUに複数のCPUコアを組み込むことで、処理効率の一層の向上を図る。

 複数のCPUコアの実装や64ビット化に対応する業務アプリケーションの増加が求められており、インテルでは業務アプリケーションを開発するベンダーに対して、デュアルコア・マルチコア、64ビット対応を支援する取り組みにも力を入れる。