【ソウル発】韓国最大の通信事業者であるKTはこのほど、下半期「TSP(トータルサービスプロバイダ)」という新しい概念の戦略でホームネットワーク市場を本格的に攻略していくと発表した。

 KTの「TSP」戦略は、通信事業者からインフラ、ソリューション、デバイス、コンテンツ、サービスを網羅した事業を展開するトータルサービス提供事業者として生まれ変わるという意味。韓国最大手通信事業者としてホームネットワークでも50%以上の市場シェアと主導権を握るための戦略である。

 すでにKTはユビキタス時代を迎え、既存のインフラ提供だけでは生き残れないと判断。将来の成長の原動力としてホームネットワーキング事業を準備してきた。

 KTは1990年代から韓国政府のデジタルホーム事業に参加してきた経緯もあり、04年にはテレビから高画質ビデオオンデマンド(VOD)を利用したり、留守中に訪問者が残した動画メッセージを確認できるなど、家電を制御できるホームネットワーク「HOME N」サービスを提供している。今年4月にはホームオートメーション関連企業とコンソーシアムを組み、ホームオートメーション基盤の付加サービスなどを準備している。

 KTは今年、「TSP」のためにホームネットワークとIP-テレビ事業に2900億ウォン(約290億円)を投資し、ホームネットワークサービス関連プラットフォーム、バックエンドプラットフォーム、端末開発などに積極的に乗り出している。

 特にテレビポータルの場合、テレビに最適化されたKT専用グラフィックユーザー・インタフェース(GUI)環境を作っている。これを通じてVOD、ホームビューワ、SMS(ショートメッセージサービス)、テレビメール、テレビブログ、ニュース、天気、地域情報サービスなどを提供する計画だ。これらに加え、既存の映画やドラマ中心の単純なVODサービスから脱皮し、顧客が必要としているコンテンツを的確に提供するパーソナルサービスも提供していく。

 この他にも、今後ホームネットワークに必須な機器であるホームゲートウェイを通じて家電メーカーを対象にCRM(顧客情報管理)サービスを提供する計画も持っている。

 これは、家電機器にIPが割り当てられることによって、消費者の同意を得て遠隔で家電機器の故障の有無や維持補修ができるよう関連情報を家電メーカーに提供するサービス。

 KTの関係者は、「今後、KTは全国の学習塾と提携し、受験・教育コンテンツをより手頃な価格で提供していく」という。またヨガや名画鑑賞など健康・文化コンテンツなども提供する計画だ。さらにパソコンとテレビをつなぎ、テレビで画像を見ながらパソコンにダウンロードする「HOME N」パソコンポータルである「MODサービス」も準備するなど、テレビポータルとホームネットワーク事業を積極的につなげていく方針だ。

 KTでは、「新規分譲マンションに限らず一戸建てでもホームネットワークが使えるようにしたい」としている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)