マザーボードなど組立パソコン用パーツメーカーの台湾エーオープン(バニー・サイCEO)は、今年10月に予定するOS非搭載のデスクトップパソコン「MiniPC」の発売を機に、他業界とのアライアンスを積極化し、ビジネス領域の拡大に力を入れる。自動車メーカーにカーナビゲーションとしての活用を働きかけているほか、将来は薄型テレビなどへの搭載も視野に入れ、テレビメーカーとの商談も進める方針。

 自動車メーカーとのアライアンスは、すでに8月初旬の時点で1社を獲得。現在、カーナビとして車内に搭載した際の操作環境などをテストしており、自動車メーカーが年内までにMiniPCを標準搭載した車の販売を開始する見通しだ。

 エーオープンが今年10月に発売するMiniPCは、他社の小型キューブ型デスクトップパソコンに比べ30%程度のスリム化を達成。バニー・サイCEOは、「省スペースでデスクトップパソコンを活用してもらうことと、パソコンをユニットとして考え他業界との融合を視野に入れて開発した」とアピールする。

 マザーボードやベアキットPCのメーカーである同社が「MiniPC」を商品化するのは、「パソコンや関連機器市場が成熟期を迎えている」(サイCEO)ため。自社ブランド製品としてマザーボードやベアキットPCを販売するだけでは、利益率の減少が避けられないことが背景にある。

 しかも、台湾メーカーが得意とするOEM(相手先ブランドによる生産)についても、大手パソコンメーカーが低価格モデルを発売する意向を示しているのを受け、受注の絶対額が下がっており、ビジネス規模が縮小傾向にある。このため、自社ブランドパソコンの発売が利益の確保につながり、パソコン本体の拡販が自社ブランドの知名度向上にも寄与すると判断した。

 パソコン本体を自社ブランドで手がけるにあたり、「大手パソコンメーカーと同程度のビジネスを行ったのでは淘汰される危険性がある」(同)として、MiniPCを製品として拡販する一方で、パソコンを1つの“パーツ”として捉えていく。これにより「自動車だけでなく、家電への搭載など、パソコン業界とは異なった領域のパートナーと組むことが可能になる」(同)とみている。

 MiniPCの販売台数については、10月の発売から3か月間でワールドワイドで10万台を目指す。このうち日本では10-12月の冬商戦で1万5000台を見込んでいる。対象顧客については、中級者以上の層がパソコンの買い増し用に購入するとみているほか、会社員が自宅で業務を行うサブマシンとして購入することなども想定している。