IPカメラメーカーのアクシスコミュニケーションズ(アンダース・トゥルビオン・ローリン社長)は、ビジネスパートナーを年内に200社へ増やす。監視カメラなどに使われる業務用カメラ市場は、従来のアナログ方式カメラからデジタル方式のIPカメラへと急速に移行が進んでいる。今後3年程度で、IPカメラはアナログカメラの年間出荷数を追い抜くという見方もあり、こうした市場の拡大に合わせてビジネスパートナーを現在の100数十社から200社へ大幅に拡充することでシェア拡大を目指す。

 監視カメラなど業務用カメラがIPカメラへと急速に置き換わるなか、アクシスコミュニケーションズは、販売パートナーや関連ソフトウェアの開発パートナーの拡充を進めることでシェアの拡大を図る。従来のアナログカメラと異なり、IPカメラが捉えたデジタル映像はコンピュータによる処理が容易に行える。このため、業務用カメラ市場に新規参入するシステムインテグレータ(SI)やISV(独立系ソフトウェアベンダー)が相次いでおり、アクシスコミュニケーションズではこうした事業者をパートナーに取り込んでいく方針だ。

 同社では、IPカメラの映像を記録するなど汎用的なソフトウェアは提供しているが、業種・業務別の専門的なソフトウェアは「ビジネスパートナーが主体となって開発できる体制の整備を進める」(浅野誠一・営業統括部ダイレクター)と、ビジネスパートナーによるIPカメラ関連のソフトウェア開発を積極的に支援していく方針を示す。IPカメラで捉えたデジタル画像は、データセンターなどでの蓄積やコンピュータによる分析が容易で、映像分析のソフトウェアの開発次第で「市場がより迅速に立ち上がる」(同)可能性があるからだ。

 現在、同社のビジネスパートナー数は100数十社だが、これを年内をめどに200社へ拡大することで、より多くのパートナーにIPカメラ関連のソフトウェアの開発を呼びかける。また、アプリケーションの開発により特化した支援プログラム「アプリケーション・ディベロッパーズ・パートナープログラム(ADP)」の拡充にも取り組む。現在、国内ではソフトウェア開発ベンダーを中心に約10社がADPに加入している。

 ソフトウェアの開発例としては、本来動きがない場所で動きがあると即座に監視カメラを使って録画し警報を鳴らしたり、順路と反対方向へ移動する人や車など異常な動きを捉えたり、IPカメラ数千台が撮影した膨大な映像の中から特定条件のものだけを抽出するなど多岐にわたる。こうした特殊な映像処理は、デジタル映像ならではの特性で、従来のアナログカメラに比べて大きな差別化要因になる。ソフトウェア開発をベースとしたシステムインテグレーションだけでなく、保育園に預けている子供や自宅のペットの映像を親や飼い主の携帯電話に転送するなどのサービス市場の拡大も期待されている。手軽に映像が扱えることから、フィールドサポートやマーケティング活動にも応用できる。

 調査会社の矢野経済研究所は、今年度、来年度ともにIPカメラの出荷台数は前年度比約6割増で伸び、来年度(06年4月─07年3月)は国内で約13万台のIPカメラが出荷されると予測している。この伸び率が続けば、今後3年程度でアナログカメラの出荷台数をIPカメラが上回るという見方もある。アクシスコミュニケーションズでは、ビジネスパートナーの拡充や新規需要の開拓などにより、グループ全体の連結売上高ベースで年率約2割の成長を見込んでいる。