【ソウル発】韓国では、各種申請書類を家庭のパソコンからオンラインで発給できるようにした電子政府のオンライン申請サービスに問題があるという主張が出始めて、電子政府のオンライン申請サービスが一時的に中断される事態に発展した。

 このほど国会で開かれた行政自治部国政監査で、ハンナラ党のクォン・オウル委員は、「インターネット上でダウンロードしたプログラムを使って簡単にオンライン申請書類を偽造、変造できることが分かった」と発表し、「オンライン申請システムを急いで補わなければならない」と主張した。クォン委員は国会で直接オンライン申請書類を偽造・変造する方法を披露した。

 行政自治部は直ちに問題を認め、セキュリティ対策に乗り出した。行政自治部はまずオンライン申請を全面中断し、1か月間の点検でセキュリティ問題を解決した後、10月末からサービスを再開するという。

 行政自治部に引き続き最高裁判所、国税庁など一部機関のオンライン申請も同じ問題を抱いているという事実が確認されてから混乱が広がっている。9月29日からは国税庁と関税庁もオンライン書類発給を突然中断した。

 今回の問題では、サーバーをハッキングするとか、システムに侵入するなどの専門的な方法ではなく、個人のパソコから家庭のプリンタで印刷する際に偽造・変造を簡単にできるという点が衝撃を与えている。電子政府システムでは、発給された書類を個人のパソコンに保存できないようにしているが、特定プログラムを通じてこの書類を保存した後、個人情報などを偽造できることが分かった。

 オンラインで発給され家庭のプリンタで印刷した書類には、それぞれ一連の番号が付けられている。その番号を電子政府サイトの申請書類確認画面に入力すれば、書類の内容を確認できるようになっており、偽造・変造されていないか確認できるようになっているが、書類を受け取る側がいちいち確認するのは難しいという。

 政府は、個人用パソコンに関連書類が保存されないようセキュリティシステムを強化することを明らかにした。一方、一部の専門家の間では申請システム全般に問題があるとされている。より安全なデジタルファイルを書類として認めず、関連機関に必ず紙にプリントした書類を持って行かなければならない現行制度の改善が必要であるというのだ。

 行政自治部が運営する大韓民国電子政府インターネットホームページでは、住民登録や土地台帳など21種の申請書類オンライン発給サービスを実施してきた。2003年9月のサービス開始以来、今年8月末までの間に257万件余りのオンライン申請書類が発給された。行政自治部によると、最近では1日平均利用件数が1万1000件にものぼるという。

 昨年3月からサービスを始めた最高裁判所のインターネット登記所の場合、不動産登記簿謄本など11種のオンライン申請書類サービスを実施しており、、1日平均4万人余りが利用するほどの人気を得ている。国税庁は04年1月からオンラインサービスを始め、納税証明書、事業者登録証明書など33種のインターネット申請書類を発給している。

 これら機関の相次ぐオンライン申請サービスの中断により、最高裁判所、国税庁など官庁と登記所、税務署などには関連書類の発給のため直接訪問する市民らであふれ返り、大変な混雑となっている。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)