病院・診療所向けシステムを提供する札幌市のシーエスアイ(CSI、井戸川静夫社長)は、主力の電子カルテシステム「MI・RA・Is(ミライズ)」シリーズを、マイクロソフトの支援を受け、より高速で柔軟性の高い次世代型へ見直す。同シリーズは、医師の診療・治療情報や検査結果、医薬の処方、看護管理などのデータ授受をすべてコンピュータで統合管理できる。だが、「院内情報を有効活用し、経営分析に利用するなどの機能を強化する」(浅山正紀・取締役管理本部長CFO)ためには、開発環境を含めた再構築が必要となり、現システムを進化させる。今年度(2006年9月期)中に次世代型をリリースする。

 ミライズシリーズの主力製品は、病院向け「HSミライズ」と診療所向け「CSミライズ」の2種類。両製品は、00年に第1号が稼動して以来、約180の病院・診療所に導入されている(7月現在)。99年4月に厚生労働省が診療録などの電子媒体保存を認めたのを契機に、病院向け受託ソフトウェア開発のCSIが、電子カルテシステムとして構築したものだ。

 CSIはこれまで、同シリーズをマイクロソフトの開発ツール「ビジュアルベーシック(VB)」やミドルウェアなどを、ディストリビュータなどが扱う市販品を調達して独自開発していた。

 だが、「レスポンスの向上や利用者を順次増やせるなど、機能強化する上で、次世代型の電子カルテシステムに脱皮する必要がある」(浅山取締役)と、マイクロソフトの全面バックアップを受け、.NETベースの開発体制に見直した。

 計画では、同シリーズに院内の情報を有効活用して経営分析に活用することや、医薬品の相性を検知して医師の処方箋ミスを自動的に判断するなどの機能を付加する方針だ。「このシリーズは、使い勝手の良さが評判だが、いまとなっては胸を張ってそれを言えるか疑問になった。機能強化する上で、もう一度、開発体制を見直す必要があった」(浅山取締役)と、さらなる機能強化を検討中だ。

 電子カルテシステムの販社は、NEC系の日本事務器や石川コンピュータ・センター、三洋電機など約20社。次世代型をリリースすることで、こうした販社によるリプレースや新規需要が見込めるという。同社の昨年度(05年9月期)売上高は前年度比約4億円増の約38億円で、電子カルテの需要増を受け年々成長している。