NTTソフトウェアは11─12月上旬にかけて、今回で8回目となるプライベートイベント「NTT SOFT Solution Fair 2005」を東京、大阪、名古屋で順次開催している。このほど開催を終えた東京会場では、暗号メールとメール誤送信防止機能を同時搭載したセキュリティソリューションや、ビジュアル化された情報を3次元空間に配置しクルージングできる新世代ブラウザなど、合計21のソリューションを展示。

 鈴木滋彦社長は、「かつての社風ではこうしたソリューション提案が技術者からなかなか上がってこなかったが、最近は自発的にどんどん売り込んできてくれるようになった」と顔をほころばせる。

 1985年の設立から今年で20周年を迎えた同社だが、数年前には業績が極度に低迷。当期損益で2001年度(02年3月期)に5億8600万円、02年度(03年3月期)に19億3800万円の赤字を強いられた。NTTグループの“お荷物”とまで冷やかされるなか、02年6月に副社長として迎えられ、翌03年6月にトップに就任した鈴木社長は大胆な構造改革を実施。社内に漂う閉鎖的ムードの払拭に努める一方、不採算プロジェクトの発生抑制、ITスキル標準(ITSS)を活用した能力開発など、矢継ぎ早に立て直し策を講じた。

 「プロジェクトの進行が遅れれば遅れるほど、より優秀な技術者を送り込む必要に迫られる。こうして採算の悪化している案件ほど、高い人件費をつぎ込むという悪循環に陥ってしまう」。この逆スパイラルを断ち切るために、「適材適所で柔軟に技術者を配置できる体制を整え、人事評価も『自分のプロジェクトさえ順調に進んでいれば、他は関係ない』という風潮を排除するため、より大括りな枠で評価する手法を付け加えた」という。

 結果、03年度(04年3月期)の決算からV字回復に転じ、04年度(05年3月期)は売上高で前年度比3.6%増の372億5300万円、経常利益は同33.7%増の29億3300万円、当期利益は同52.5%増の17億2000万円を計上、売上高経常利益率は7.9%にまで高まった。不採算プロジェクトの発生率は「1%以下に抑えるよう」徹底してきた。

 もっとも、不採算プロジェクトの発生率については、「社内には『0.5%にまで下がった』と喜ぶ声もあるが、1%以下という設定は0.7%、0.8%くらいまでなら許容範囲と受け止めても良いわけで、この設定枠をもっとうまく活用しようという姿勢も欲しい」と鈴木社長。顧客企業との付き合いから、やむを得ず不採算プロジェクトを引き受けなければならない場面もあるわけで、このあたりのさじ加減が“経営の妙”といったところかもしれない。