米国のERP(統合基幹業務システム)ベンダー、QAD(パム・ロプカー会長兼社長)は、日本で自動車関連業界向けに販売攻勢をかける。このほど国内の自動車部品メーカーからの受注が決まったのを契機に、同業界向けの営業を強化する考えだ。「売上高に占める日本市場の割合は5%程度とまだ小さいが、(今回の受注は)全体の売上高に与えるインパクトも大きく、日本市場が占める割合も倍増することになる」(ロプカー会長兼社長)としている。

 QADは、日本市場においてERP製品「MFG/PRO」で64社の顧客を獲得している。ERP販売のターゲットとする製造業を自動車、医薬、食料品&飲料、電機・工業製品、一般消費財の6つのセグメントに分類しており、なかでもグローバル化の著しい自動車産業向けの優先度を高めていくとしている。

 すでに北米、欧州では自動車メーカーのフォードに加えて、自動車部品メーカーではジョンソン・コントロールズ、デルファイなど主要16社が顧客となっている。

 日本の自動車業界は、従来からの系列構造が崩れ、独自にグローバル化を進めるメーカーが増えている。QADは「顧客ターゲットをグローバルに事業展開するメーカーに絞っている」(ロプカー会長兼社長)ため、系列構造が崩れたことで、「新たな競争が生まれ、新規ベンダーが参入するチャンスが出てきた」(アレキサンダー・ヴァン・アイク・QADジャパン社長)と、事業拡大の中心に自動車業界を据えた理由を話す。

 QADでは日本でのチャネル・パートナーとしてトーマツコンサルティング、野村総合研究所など4社を揃え、これらを含めてコンサルティングからシステムインテグレーション(SI)、導入支援サービスを展開するパートナーは14社ある。「将来的に日本市場での販売を強化するために、適切な手段を講じていく」(ヴァン・アイク社長)と、これらパートナーについても順次、増強を図っていく考えだ。

 QADは1979年の設立。本社をカリフォルニア州カーペンテリアに置き、従業員は約1200人。MFG/PROは、04年度にはインストールベースで世界5300サイトで活用されている。04年度の売上高は2億3000万ドル(約270億円)。売上高のうち40%を北米が占め、欧州・東部アフリカが38%、南米が6%、日本を含むアジア・パシフィック地域が16%となっている。日本法人は98年に設立している。