セキュリティベンチャーのバリオセキュア・ネットワークス(坂巻千弘代表取締役CEO)が、競合の激しい統合型セキュリティアプライアンス市場で急成長をとげている。2002年に自社開発アプライアンス「VSRシリーズ」を発売して以来、顧客数は1100サイトを突破した。その好調の秘密は、ハードウェアにも関わらず「“箱売り”は絶対にしない」という独特のビジネスモデル。導入支援と保守・運用サービスを必ず付加して提供するスタイルが顧客に受け入れられている。

 「VSRシリーズ」は、1台の筐体に複数のセキュリティ機能を盛り込んだ統合型セキュリティアプライアンス。バリオのアプライアンスには、ウイルス対策やファイアウォール、IDS&ADS(不正侵入検知&自動防御システム)など12種類のセキュリティと通信機能がのる。

 セキュリティアプライアンスの分野は、シマンテックやインターネットセキュリティシステムズ(ISS)などの大手ベンダーも販売を強化している激戦市場だが、数少ない国産ベンダーとして存在感を示し始めている。02年に開発を始め、同年5月に発売。現在まで約1100サイトに納入した実績を持つ。さらに、この1年以内に2000サイトの突破を狙う。

 坂巻代表取締役CEOは、好調の理由を「“箱売り”ではなく、必ず導入支援と保守・運用サービスを付加して提供するビジネスモデルにある」と説明する。

 統合型アプライアンスは、1台のハードに多数の機能を集約しているため、導入が容易との見方がある。しかし、実際には複数の機能を正常に動作させ、運用するには、「かなりの技術的知識とノウハウが必要」(坂巻CEO)。エンドユーザーはもちろん、「SIerでも容易に導入できる種類の製品ではない」と説明する。

 そのため、バリオではハードだけを提供するのではなく、セキュリティポリシーの設定をはじめとする導入支援サービスから、実際の構築、そして保守・運用サービスを含めて販売するスタイルを貫く。ハードの単体売りはこれまでしたことがない。保守サービスについては、PFUと住友電設との提携で、全国33か所に保守拠点を配置した。

 価格体系は初期費用と月額利用。機能を追加するごとに、費用がかさむ仕組みで、顧客が使いたい機能だけを選定できるように設定している。

 単機能的なウイルスの侵入防御だけでは、外部からの不正アクセスを防御できないという最近のセキュリテイ事情もあって、統合アプライアンスの機能をサービスとして提供するビジネスモデルで成長している。

 来年2月には新機能として「スパム(迷惑メール)」対策機能を付加する。また12月、来年3月にハイエンドモデルを2種類投入し、ラインアップを合計8シリーズに拡充する予定。販売パートナー経由の販売だけでなく、今年9月には直販も始め、営業体制も強化した。

 1年以内に導入企業数2000サイトの突破、そして来年度(07年5月期)売上高12億円を目指す。