NECは競争が激化するPCサーバー市場で、今年度(2006年3月期)も引き続きトップシェア死守を目指す。PCサーバー全体の出荷台数は今年度過去最高の50万台を突破する見込みで、コモディティ化が急速に進み、デルや日本ヒューレット・パッカード(日本HP)といった外資系ベンダーの追い上げが激しさを増している。NECは直販営業部門や販売特約店、ウェブ販売など総合力を発揮することで10年連続のシェア1位を堅持する構え。

 NECのPCサーバーが、シェア争いで苦戦を強いられている。急速なコモディティ化の動きに、販売体制が追随できず、シェアの伸び悩みに結びついているのではないか、と指摘されているのも確かだ。しかし、NECでは逆にコモディティ化を追い風と捉えて「NECの総合力を武器にトップシェアの堅持につなげる」(田中重穂・パートナービジネス営業事業本部長)という作戦を立てている。

 今年度700万台規模の出荷が見込まれている企業向けパソコンでは、NEC、富士通など国産ベンダーが依然として優勢で、全国に張り巡らせた販売網が大きな強みになっている。

 これに対しPCサーバーの出荷台数は、企業向けパソコンの10分の1以下と規模が小さく、外資系ベンダーが一点集中型で攻勢をかければシェア拡大はパソコンに比べて容易だとNECは分析する。

 今後、PCサーバーの用途が広がり、さまざまなユーザーが気軽にPCサーバーを購入する傾向が強まっていけば、むしろ企業向けパソコンと同様に、国産ベンダーの総合力を生かしたシェア拡大策が展開しやすくなる、との読みだ。

 NECでは米国に比べて狭い日本のオフィス環境を意識して、省スペースで省電力、静音設計のPCサーバーの品揃えを増やすなど、外資系ベンダーとの差別化を進めている。

 同時に、販売特約店の若手社員を積極的に自社工場に招き、NECのものづくりに対する理解を深めてもらうといった製販一体の取り組みを強化している。全国の特約店との「関係を強化する」ことがシェア拡大には欠かせない要素だとし、工場見学や特約店と連動した製品展示会などを積極的に開催。販売店との連携を一段と強化する方針だ。

 今後はデルなどに比べて弱いとされているウェブを活用したSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)向けの販売体制を強化、これまでカバーしきれていなかった領域にも積極的に乗り出していく方針。

 景気好転を受けてPCサーバーの市場は拡大基調にある。田中営業事業本部長は、「業界水準の伸び率を上回ることよりも、競合他社の伸び率を上回ることを重視」と、徹底的にシェアにこだわり、デルや日本HPなどの競合他社に打ち勝って、10年連続でのトップシェア堅持を達成する。