ソフト開発ベンチャーのシステムアドバンス(宇野博幸社長、岐阜県大垣市)は、ウェブブラウザベースで活用できる人工透析医療の電子カルテシステム「e-透析システム」の拡販に乗り出す。すでに岐阜県内の県立病院2か所で1月2日から稼働しており、この実績をてこに全国展開を図る。全国展開のために販売代理店方式を採用するか、開発したシステムを大手ベンダーなどに売り込むか検討を急いでいる。

 システムアドバンスが開発したe-透析システムは、2001年10月に岐阜県中小企業創造法の認定製品となっている。

 これまで医療機器をはじめとして医療関係企業向けなどにプレゼンテーションを行ってきた。同様のシステムは医療機器分野で透析システムベンダーなどがシステム化しているが、「価格が数千万円と高いのがネック」(宇野社長)となっていた。

 同社は、ウェブブラウザベースでシステムを開発し、病院内のLANを介して利用でき、個別のパソコンにソフトをインストールする必要のないASP方式を採用した。これにより500万円程度の価格を実現した。

 医療機関では事務部門だけではなく、オーダリングシステムや電子カルテをはじめとして医師や看護師などの現場スタッフの作業効率化を図るためのIT化が進んでいる。

 人工透析患者は週2-4回、1回4-5時間の透析治療を受け、患者ごとに透析実施前と実施後の臨床情報や患者本人の身体情報など数多くのデータを管理する必要がある。

 こうした情報の多さが医療現場スタッフや患者本人に負担を強いるケースもある。また、患者が転院する際にはそれらの情報を提供できるような仕組みづくりが不可欠となっている。

 こうした流れを受けて今回、病院の電子化を進める岐阜県内2か所の県立病院で採用が決まり、1月2日から実用化が始まった。宇野社長は、「病院の電子化ニーズで引き合いが増えている。しかし単独では全国展開する力はない。代理店を開拓していくか、システムごと売却するかといった検討を進めている」段階という。

 同社は00年6月にソフトピアジャパンのインキュベーション施設であるドリームコアに入居。05年1月に資本金1000万円で株式会社化し、「生体指紋認証USBフラッシュメモリ」や外付けHDD方式の「フィンガープリントアクセス」などセキュリティ関係の製品も開発販売している。