日立製作所は、セキュリティPCの出荷台数を倍増させる。情報漏えいの防止や内部統制の強化などで引き合いが急増していることから、来年度(07年3月期)は10万台規模の出荷台数を目指す。セキュリティPCはブレードPCやサーバーと“対”になって動作する構造であるため、こうしたバックエンドシステムのシェア拡大にも結びつきそうだ。

 先行するセキュリティPCの分野で、「ここ数年間は倍増ペースで出荷台数を増やしたい」(宮本繁・情報・通信グループゼネラルマーケットビジネス統括本部ビジネス企画本部本部長)と、シェアを稼げる中堅中小企業のマーケットで、セキュリティPCの拡販に全力をあげる。

 自宅や出張先などの遠隔地からセキュリティPCの本体にアクセスしやすいようにしたり、既存のパソコンをセキュリティPCとして使えるようにする仕組みなどを充実。使い勝手を向上させ、導入しやすい環境をつくってきた。得意の指静脈認証と連携させて「指1本」で、どこへ行っても自分のパソコンにアクセスできると、優位性をアピールする。

 昨年12月にセキュリティPCの今年度出荷台数を3万台から5万台へと上方修正するなど引き合いが急増している。だが、今年度のビジネスPC市場全体から見た日立のセキュリティPCのシェアは1%程度に過ぎない。来年度以降、拡販を加速させることで「ボリューム感のあるシェア」に拡大させる考えだ。

 セキュリティPCは、OSや業務アプリケーションなどのデータをブレードPCやサーバーに保管する構造であるため、バックエンドシステムとセットで販売することになる。セキュリティPC1台につきブレードPC1台を標準的な構成にしており、セキュリティPCの拡販は「PCサーバーのシェア拡大にもつながる」と期待を寄せている。

 初期導入コストはかかるが、クライアントのライフサイクル全体から見れば割安になるという。

 パソコンやPCサーバー単体では、外資系ベンダーなどの攻勢に対抗し得るほどの差別化は難しいのが現状だ。日立は、セキュリティPCシステムなど得意とするアーキテクチャを前面に出していくことでシェア奪還を図る。