日本高信頼システム(JTS、澤田栄浩社長)は、セキュアOSのクライアント版「Safe Protector(セーフプロテクター)」を自社開発、3月1日から法人向けに販売開始する。セキュアOSについては、従来サーバー向けモデルは多くあったが、クライアント版を開発したのは同社が業界初という。同製品をパソコンに導入すれば、ウイルスなど外部からの攻撃を防げるだけでなく、利用者の操作制御で社内内部からの情報漏えいを防ぐことも可能になる。外部攻撃と内部からの情報漏えい対策として、それぞれ対策ソフトを導入する必要がなくなる。サーバーのセキュリティ対策として普及してきたセキュアOSだが、同製品のリリースによりパソコン向けセキュリティソフト市場でも存在感を示しそうだ。

 セーフプロテクターは、未知ウイルスやスパイウェアからの攻撃防御、セキュリティポリシーで許可されていないアプリケーションの利用制御、FDDおよびUSBメモリへのデータの書き込み禁止、ログの収集・管理、データの暗号化が施せる。

 外部の不正プログラムからパソコンを守れるだけでなく、パソコンの情報漏えい防止まで施せる。ウイルスやスパイウェアの侵入を防ぐことはできないが、パソコン内で動作させない仕組みを持つため、外部から侵入する不正プログラムの攻撃を防御することができる。

 セキュアOSとは、セキュリティを強化したOSのことで、インストールされているOSに組み込む形で利用する。アプリケーションレベルではなくカーネルレベルで利用者の操作を制限する機能を持つ。そのため、管理者権限を持つシステム管理者でも、不正な操作をすることができないなどのメリットを持つ。

 セキュアOSはこれまで、サーバー向けモデルとしては、「PitBull(ピットブル)」など複数の製品があった。JTSはこのセキュアOSの販売とSIを事業の柱にしてきた。だが、パソコンでもセキュアOSの需要があり、セキュアOSの機能をパソコンに横展開できると判断。セキュアOSが本来持つアクセス制御機能に、ログ収集や暗号化、外部メディアへの持ち出し禁止機能を加え、セーフプロテクターを開発した。

 セーフプロテクターは同社にとって初めての自社開発製品で、「クライアント向けセキュアOS製品を開発したのは、当社が業界初」(清瀬紀次・取締役副社長兼システム営業本部長)という。

 導入方法は、システム管理者用のパソコンに利用を許すアプリケーションをインストールし、また、制御するアプリケーションの種類や暗号化する領域などの設定を行い、インストーラと呼ばれる専用ファイルを作る。そのインストーラを各パソコンに配布し、インストールすれば、セキュリティポリシーが設定された状態でセキュアOSを導入できる。ポリシー設定には専用の無償策定支援ツールを用意しており、導入を容易にした。

 対応OSは、ウィンドウズ2000 Professional(ServisePack4)とウィンドウズXP Professional(Service Pack2)。価格は、1クライアント1年間で1万円(25ライセンスの場合)。利用期間が無期限のモデルで1クライアント2万円(同)。導入支援サービスとして、動作環境構築のためのポリシー策定支援サービスを5万円で用意している。JTSでは、発売後1年間でサービスは含まず1億円の売り上げを狙う計画だ。

 販売は、直販だけでなく販売代理店を通じた間接販売も始める。セーフプロテクター発売に併せ、販売代理店制度を設けていく。

 バージョンアップについては、今春に各パソコンのログを一括収集・管理するシステム管理者向け機能を加えるほか、ウイルスやスパイウェアの駆除まで行える機能も搭載する予定。

 セキュアOSはこれまで、サーバー向け製品のみであり、また特殊な製品として広く普及したとは言い難い状況だったが、今回JTSがパソコン向けセキュアOSを発売することで、セキュアOSの知名度が高まりそうだ。「外部アタックと情報漏えい対策を1つの製品で行える」(清瀬副社長)だけに、情報セキュリティソフト市場にも影響がありそうだ。