【上海発】Webに公開された資料によると、2006年大晦日(旧暦)から1週間ほどの間に、中国において発信された携帯電話のショートメッセージは126億通以上に達したという。計算すると1ユーザー当たり30通以上が送られたことになる。メールアドレスを必要としないショートメッセージは手軽なうえに安価というので大流行。人気を追い風に、ネットのサービス会社は急成長を遂げている。

 中国のテレコム会社の上位2社である「中国移動(China Mobile)」と「中国聯通(Unicom)」は春節休暇中だけで12億元を売り上げた。中国移動を使ってのショートメッセージは95億通を占め、大晦日だけで19億通が送られた。中国聯通では、大晦日と春節2日間に14億通のショートメッセージが送られた。

 ショートメッセージは、携帯でのメールと異なり、IPネットワークを通さず、モバイルPSTN(Public Switched Telephone Networks・公衆交換電話網)を通じ携帯端末間でメッセージのやり取りができる。そのため、メールアドレスではなく、携帯番号そのものが宛先となる。メールのようにサーバーからメッセージをプルするモードと異なり、ショートメッセージは即座に端末へ届くため、便利だと思う人が多い。使いやすく、即時性があることで、00年から中国国内でブームとなっており、その後6年間で、300倍の成長を遂げた。

 トラフィックは00年の10億通から、04年は2177億通、05年には3046億通に達した。モバイルPSTNにつながるゲートウェイが設置されており、インターネットユーザーはWebなどで携帯端末とメッセージのやり取りもできる。ウェブサイトのサービスプロバイダが提供する挨拶メッセージ、ジョーク、写真、着信音、天気予報、株情報、交通情報、宝くじ情報などのコンテンツは豊富である。役所、銀行などの公共機関が情報を発信する用途も開発されている(一方で、迷惑メッセージなどにも悪用されているようで、インチキメッセージを撲滅する警察の対応を時折耳にする)。

 また、独占事業のせいで高い通話料金に比べ、ショートメッセージは0.1元/通で、相対的に安い。倹約家はできる限り通話を避け、メッセージで情報を伝達する。

 01年下半期、中国移動が付加価値サービスプロバイダ(value─adding service provider)との利益シェアモデルを公表したことによって、ドットコム会社の新たな営利モデルが鮮明になった。

 インターネットポータルのトップ3の03年度第1四半期会計報告を考察してみよう。「Sohu.com」の非広告収入はショートメッセージや電子取引業務から成っており、総売り上げの69%を占める。「Sina.com」の非広告収入は前四半期比で2倍、総売り上げの60%を占める。「Netease.com」ではこのビジネスユニットからの収入は1.06億元となり、総売り上げの90%を占める。この頃から、インターネット業者は「春」を迎え、儲け始めた。「ナスダック投資家の目で見るこの3社は、すでにポータルではなくなり、モバイル付加価値サービスプロバイダになってしまっているのではないか」と、ある評論家が発言していた。

 ショートメッセージで儲けるパターンは、中国にしか見られないドットコム会社のビジネスモデルといわれている。

 02年には、ショートメッセージに頼りすぎる経営は危険だという評論があったのだが、そのあと、続々と写真メッセージ、着信音ダウンロードなどのビジネスが開発された。今年は、ホットポイントになっている3G携帯電話のスタンダードの公表が予測されており、インターネット業者やユーザーにもメリットをもたらしてくれるだろう。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所担当、shanghai@accsjp.or.jp)