中国ソフト開発大手の金山軟件股有限公司(北京市)の日本法人であるキングソフト(広沢一郎社長)は、一般消費者向けに昨年9月から提供していた総合セキュリティソフト「キングソフト インターネットセキュリティ 2006」を、法人市場で今年5-6月に展開する。一般消費者向けモデルに、情報システム管理者が必要な各パソコンを一元管理する機能を付加して提供する。代理店を通じて販売する計画で、機能付加とともに代理店網の構築を急ぐ。

 法人向けに販売するのは、現在一般消費者に向けて提供している「キングソフト インターネットセキュリティ 2006」の機能がベースになる。法人では、情報システム管理者が各パソコンの運用状況を管理する機能が不可欠なため、一元管理機能を付加して製品化する方針。親会社の金山軟件股有限公司は、一元管理機能を加えたモデルをすでに中国市場で販売しているため、「一元管理機能は基本的に親会社の製品を日本語化してリリースする」(広沢社長)。価格は未定。

 販売は、販売代理店を通じた間接販売を計画しており、同社ではそのため昨年末から販売代理店を募集していた。先月中旬の段階で「50社程の申し込みがあった」(同)という。リリース予定の5-6月に向けて、販売代理店の選定や販売支援制度の策定など、間接販売体制の構築を進めていく。

 キングソフトは、1年間の無償利用と2年目以降の更新費用980円という提供方法で、一般消費者向けセキュリティソフト市場に昨年9月に参入。2月14日に100万ダウンロードを突破した。今月中旬からは、スパイウェア対策機能の専門ツールを無期限無償提供するなど、コストメリットを前面に打ち出す戦略をとっている。

 法人への提供については、「当初計画していなかった」(同)が、参入後約半年でブランドが定着したことと、販売代理店からの引き合いが多かったことからビジネスチャンスがあると判断。参入を決めた。

 広沢社長は、この半年を振り返り、「ユーザーの獲得は計画通りには進んでいないが、認知されれば使ってもらえることが分かった」とし、「知名度を上げるためのプロモーション施策を強化する」と述べている。

 同社では、まずは有料ユーザー数100万人の獲得を目標に、来年度(07年12月期)での通期黒字化を予定。ソフトの予想更新率は30%としている。

 「キングソフト インターネットセキュリティ 2006」は、コンピュータウイルスとスパイウェア対策、パーソナルファイアウォール機能を搭載した総合セキュリティソフト。金山軟件股有限公司が開発したソフトで、中国市場では00年に提供を開始。1000万人以上のユーザーがいるという。中国製ソフトが日本で販売されているのは、同製品が初めて。金山軟件股有限公司は中国のソフト開発大手で、株式の約30%をレノボグループが所有している。