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韓国ソフトウェア振興院 SoC修士・博士養成を支援

2006/03/13 12:57

週刊BCN 2006年03月13日vol.1129掲載

 【ソウル発】人材確保に苦しむSoC(System On a Chip)業界をサポートするため、韓国ソフトウェア振興院は2003年から修士・博士クラスのSoC設計人材養成を目的とした「IT─SoCアカデミー」を運営している。その卒業生04年130人、05年147人がSoC設計専門家として認証された。07年までに累計700人の設計専門家を養成するのが目標だ。

 韓国政府は理工学部の人材養成を国家課題とし、R&D予算を9兆ウォン(1ウォン=約0.12円)に増額、科学技術革新本部を新設して、科学技術国債発行など理工系を重視する雰囲気を盛り上げてきた。教育部・科学技術部は「理工学部育成のための創造的人材養成案」を大統領に共同報告し、05年1739億ウォン、06年3873億ウォンという莫大な予算を策定した。大統領の支持により、理工系出身の公務員の割合を拡大させるため04年から「理工系採用目標制度」も導入された。

 SoC専攻認証書を取得した学生はSoCカンファレンスを開催して専攻認証過程卒論を企業向けに発表し、その場で入社相談を受ける。主に三星電子、LG電子、ハイニクス、エムテックビジョンなどSoC専門企業に採用され、先端技術研究と新製品開発を計画している企業の中核として活躍している。

 現在SoC産業は世界半導体市場の66%を占めるほど大きなシェアを占めているが、学生の理工系忌避現象や大学の実習環境の厳しさなどから、企業ではまだ設計人材の拡充が困難な状況にある。

 韓国ソフトウェア振興院のSoC専攻認証課程は、企業に必要なSoC設計専門家を養成するために、韓国58のSoC関連大学と連携した修士・博士教育課程であり、理論だけでなく設計実習経験を支援している。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
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