沖電気ネットワークインテグレーション(原説秀社長)は、WANの高速化を可能とする「WAFS(ワイド・エリア・ファイル・サービス)」対応ソフトの機能を細分化して、6月から各機能に特化したアプライアンス製品の販売を開始する。WANの高速化やアプリケーションの加速化、ファイルアクセスの高速化などの機能別製品を揃える。今年度100セットの販売を見込む。

 WAFSとは、WANを介したファイルアクセスを現状より10倍程度に高速化できる技術。1拠点へのファイルサーバー集約に適しており、米国ではセキュリティ対策の強化や運用管理の統合などでWANを採用する際、WAFSシステムの導入が主流となりつつある。

 日本でも、仮想化を切り口にサーバー統合が進みつつあるため、同社はサーバー集約によるネットワーク帯域不足の課題が浮上すると判断。米ディスクサイト社のWAFSソフト「ディスクサイト」の国内販売権を獲得して、WAFSの全機能を搭載したアプライアンス製品として「レース」シリーズを昨年10月に市場に投入した。

 しかし、「日本は、ブロードバンド環境が発達していることから、米国に比べ回線帯域の不足が起こりにくい。そのため、WANの高速化という切り口では製品の拡販が難しい」(栗原希典・ネットワーク営業本部営業第一部営業第一チームリーダ)と判断して、方向転換を模索してきた。発売から5か月を経過した3月末の時点で導入企業がわずか1社。「WAN高速化機能が不要の企業も多いため、逆に特定機能に絞り込んだ製品提案のほうが拡販に結びつきやすい」と判断して、各機能に特化したアプライアンス製品の販売に踏み切った。

 6月に提供予定のアプライアンス製品は、WANの高速化とアプリケーションの加速化、ファイルアクセスの高速化と3種類。すべての機能を持つ製品も用意する。対象企業は、複数の拠点を持つ1000人以上の中堅企業。WAN高速化が海外拠点のネットワーク回線帯域不足を解決、アプリケーション加速化とファイルアクセス高速化がネットワーク側から各拠点のサーバー統合が可能であることをアピールしていく。

 機能の細分化により、販売代理店も拡大できる可能性が出てきたという。アプリケーションの加速化やファイルアクセスの高速化では、「サーバー統合という点で、新たにストレージメーカー2社とアライアンスを組んだ。提携メーカーの販売代理店経由で、製造業やサービス会社など全国に拠点を多く持つ企業に対しても販売していく体制が整った」としている。WAN高速化機能では、データセンターが販売代理店となり帯域不足の解消サービスを提供するという提携交渉を詰めている段階だ。

 今年9月には、モバイル用ファイルアクセス高速化機能の追加も予定している。「WAFSは、日本で馴染みが薄いが、機能を充実させることで徐々に浸透していくだろう」とみており、今年度末で100セットの販売を見込んでいる。