日立製作所(古川一夫社長)は、通信とコンピュータの融合製品群「コミュニマックス」の拡販に向けて、独立系SIerの販路開拓に力を入れる。これまで直販営業やグループ企業、系列販社などの販売チャネルが中心だったが、新たに独立系の大手SIerを販売パートナーに引き込むことでシェア拡大を目指す。

 コミュニマックスの販売チャネルは直販営業、PBXなどを販売する通信系の販売特約店、日立情報システムズなどグループ内の情報系販売会社、独立系SIer、通信キャリアの主に5つのルートで構成されている。今年度は、これまで比較的弱かった大手独立系SIerとの関係を強め、販売チャネルの強化を目指す。

 現在、主力の販路となっているのは、PBXのIP化の需要を捉えて売り上げを伸ばしている通信系特約店と、本体およびグループの情報系販社。いずれもコミュニマックスを戦略商材と位置づけ、販売体制の拡充に力を入れてきた。これに独立系SIerを加えることで今年度は同分野で1500億円の売り上げを見込む。04年度が1000億円だったのに比べれば2年で1.5倍に伸ばすことになる。

 IP電話機やIP─PBX、VoIPゲートウェイなど中核となるハードウェアの市場規模は今後2年間で平均10%近い伸びが期待できるなど拡大傾向にある。とはいえ、依然として「ハードウェア中心の販売手法」(福田吉治・ネットワークソリューション事業部CommuniMax販売支援センタセンタ長)であり、単価下落による粗利率の低下など不安要因があるのも事実だ。

 このため、まずはハードウェア中心の販売でシェアを拡大し、その後はSIerのインテグレーション能力やソフト開発力を生かして情報系システムと連携させたアプリケーション部分を充実させることにより収益性を高める。

 日立製作所が今年、ユーザー企業を対象に行ったアンケート調査では、IP電話導入で期待する効果として、「コスト削減」が前年同時期の調査より10ポイント近く低い約50%に下がった。一方で「業務効率化」を望むと答えた比率が約45%に高まった。同社では、当初コスト削減が主体だったIP電話の導入目的が、今後は業務効率のためのシステム構築に重点が移っていくと分析している。

 このため、グループウェアとの連携や顧客サービス向上のツールとしての用途の拡大に向けて、独立系SIerや大手ソフト開発ベンダーなどとの結びつきを強化する必要があると判断した。

 将来的には、より広範なアプリケーションとの連携を可能にする道を広げることで、収益拡大を狙う。