富士通(黒川博昭社長)は、これまでグループ内で利用してきた、顧客の要件に基づき最適なシステム構成を自動的に作成するツール「TRIOLE System Organizer」をパートナー企業にも提供する。従来は、企業が示したRFP(提案依頼書)を受けて手作業で行っていたが、同ツールを利用することで提案期間を3分の1に短縮できるという。XML形式のツールであるため、企業の情報システム担当者と同社の保守・運用担当がウェブ上で情報を共有して、追加や変更設計などを簡素化することも計画している。

 ツールは、ウェブベースで構築され、顧客が求める用途やパフォーマンス、価格などを入力するとサーバーやデータベース、ストレージなど、最適なシステム構成を自動的に導き出す。

 顧客と対話をしながら作業ができ、容量に応じたシステム停止リスクなどを、レーダーチャートで表示する。このため、「サービスレベルをスピーディに合意でき、システム構成の見積りがスムースに作成できる」(田中隆一・プラットフォームソリューションセンター長代理)ため、従来、1週間程度かかっていた作業を2日に短縮できるという。

 提案のベースとなるシステム構成は、富士通内で検証済みの「TRIOLEテンプレート」のノウハウを生かして12モデルを用意している。富士通のハードウェアと「テクノロジーパートナー」のセキュリティ製品やストレージ管理製品、データベースなどに限られるが、組み合わせによっては、1000種類以上のシステム構成を提示できるとしている。

 富士通本体のSEやグループのSE子会社、一部のパートナーでは、2004年から同ツールの利用を開始。すでに同ツールを使って、1000万円から数億円規模の案件を手がけ、500-600社でシステム構築の実績を上げている。今後は、導入段階だけでなく、保守・運用レベルにも活用分野を広げる。顧客と同社のSEがウェブ上で情報を共有することで、システムの追加や変更を容易にし、顧客側で変更した場合の確認作業などにも役立てる。「これによって、顧客により的確なサポートを提供できるはず」(藤原智広・共通技術本部TRIOLE基盤統括部部長)と話す。また、パートナーのSIerやソフトウェアベンダーなどにも順次提供する方針だ。

 同ツールは、ハードウェアを中心にしたインフラ周りのシステム構成やサービスレベルを自動的に作成できるが、業務アプリケーションは含まれていない。だが、「少なくともインフラ周りの手戻りは減る。業務アプリケーションはSOA(サービス指向アーキテクチャ)化が進み、変更要求に柔軟に対応できるようになった。同ツールとSOA環境を結びつけることで、より信頼性の高いシステム環境をつくることができる」(田中センター長代理)という。