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グーグル 中国語ブランド名を発表 「谷歌」に反対署名も
2006/05/15 17:51
週刊BCN 2006年05月15日vol.1137掲載
中国人には、外国の事物に中国語の名前をつける習慣がある。例えば、Coca Colaを「可口可楽」、BMWを「宝馬」、Benzを「奔馳」とそれぞれ名づけている。これらの中国語名は、発音が似ているのみならず、適切な意味も入れ込んでいることから中国では身近なものとして親しまれており、世間に広まりやすいものだ。グーグルでも、すでに2002年には中国人スタッフから、中国語名をつけようとの提案があがっていたという。
05年5月末にグーグルは、中国語名をつけるかどうかについて正式に市場調査を行った。結果として、約53%の人たちがそれを望んでいることが判明した。間もなく命名プロジェクトがGoogle内部で立ち上がった。「いい名前はいいスタートの兆し」を目標に、提案が山ほど出され、ようやく「谷歌」にたどり着いた。
ところが、グーグルの盛大な宣伝に対し、この命名に不満を持っているグーグルファンは「聞き応えが悪く失望した」と言い、反対の署名運動がネット上で始まった。そのなかでも、noguge.comが一番の注目を浴びている。そのトップページには「われわれはGoogleを愛しているが、谷歌が嫌いだ。谷歌という名前は、気分を悪くさせ、ファンを失望させた!」とあり、反対署名を呼び掛けている。4月26日の時点で、署名者はなんと1万人を超えている。
グーグルは李開復退職事件でマイクロソフトとの訴訟を経て、中国でのスタッフ配置を終えたばかりだが、まだ政府からICP営業許可を得ておらず、百度(baidu.com)との競争プレッシャーもある。そんななか、中国語名をつけることで中国での事業を宣伝し、いいスタートを切ることを願っているだろう。一方で、反対する人たちが出てきて、命名反対の旗を揚げた。しかしながら、そのような活動は、別の意味でグーグルのマーケティングを助けているのではないだろうか。根拠はないのだが、同社の巧妙な企画だったのではという可能性もゼロではないだろう。
いずれにしても、結果的にこの4月、グーグルは全国メディアとインターネットユーザーの注目を集めたに違いはない。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所担当、Shanghai@accs.or.jp)
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