米IBMは、アプリケーション開発ベンダーの買収を行わない考えを示した。ソフト開発会社の買収を活発化させていることで、一部ISVからはIBMグループとの協業を警戒する声が上がっていた。これに対して、米IBMで中堅中小企業市場を担当するスティーブ・ソラッオ・ゼネラルマネージャーグローバルスモールアンドミディアムビジネス担当は「アプリケーション領域へは進出しない」としたうえで、買収ではなく協業を強化する方針を改めて示した。

 国内では日本IBMがトップディーラーのJBCCホールディングス(石黒和義社長)を中心とするJBグループから今年3月末までに資本を引き揚げる一方で、世界全体では昨年度、12社のソフト開発会社を吸収合併している。

 ソラッオゼネラルマネージャーは「買収したソフト会社はすべてテクノロジー中心でアプリケーションベンダーではない」とし、IBMの持つデータベースやウェブアプリケーションサーバーなど主力ミドルウェアとの相乗効果が見込める企業に限っていると明言。「OS、ミドルウェア、アプリケーションのすべてを自社製品に取り込もうとしているベンダーとは違う」とアプリケーション分野への進出を進めているマイクロソフトを暗にけん制した。

 IBMは中堅中小企業向けに最適化したパッケージシステム「ビルトオンIBMエキスプレスポートフォリオ(BOE)」の拡充を進めており、BOEに適合した認定ISVアプリケーション数が世界で369種類になったことを明らかにし、このうち約60種類を国内のISVなどが開発しているという。アプリケーション開発ベンダーとの共存を明確に示すことで、BOEなどIBMプラットフォームに対応したソフトをさらに増やすのが狙いとみられる。

 こうしたなか、日本IBMと協業を進めるクラスキャットなどISV5社が4月5日付けで「ビルトオンIBMエキスプレスポートフォリオコンソーシアム」(佐々木規行会長=クラスキャット社長)を設立。日本IBMでは同コンソーシアムとの連携も図りビジネス拡大を目指す。