デル(ジム・メリット社長)がISV向けパートナープログラム「デルISVアリーナ」をスタートさせてから約10か月が経った。デルにとってISVとの協業を進める本格的な制度は、このデルISVアリーナが初めてであり、日本法人独自の施策でもある。直販というビジネスモデルを貫く同社が取り組んだISVとの協業制度の成果を探る。

 デルISVアリーナは、デルのサーバーとISVが持つソフトウェアを組み合わせて販売するプログラム。ISVは、自社のソフトをデルの直販網で販売でき、デルと共同でプロモーションが行えるメリットがある。

 デルは、これまでサーバー単体での販売を主体にしてきたが、サーバーとソフトをセット販売することで、ユーザーの利便性向上を図ることが狙いだ。

 昨年8月に開始し、現在まで16社が参加。応募を受けて審査中のISVは約45社にもおよぶ。

 「審査基準はシンプルで、一緒に手を組んでサーバーが売れるか売れないかで選定している」(瀬戸弘和・エンタープライズマーケティング本部エンタープライズソリューショングループグループマネージャ)という。

 スタート時点の計画では、「四半期ごとに5社程度が集まれば良いと考えていた」だけに、予想以上のISVがこの制度に関心を示しているわけだ。

 成果が現れているのは、集まったISVの数の多さだけではない。売り上げにも結びついている。デルISVアリーナによって、サーバーの販売台数は「約30%増で推移」しているという。

 制度のスタートは昨年8月だが、構想はその1年前の2004年にさかのぼる。「代理店を通じて販売するという日本の商流に合わせて、日本法人が独自に企画、展開した」プログラムだ。開始から約10か月、企画立案から携わった瀬戸グループマネージャは、好調な滑り出しに手ごたえを感じている。

 ただ、課題もあるという。

 「販売の対象となるのは、中小企業ユーザーが多いだけに単価が小さい。また、ISVが持つソフトとサーバーの動作検証に時間がかかりすぎている」と瀬戸マネージャは不満な点をあげる。

 今年8月までに50社のISV獲得を目指しているが、数だけでなく、顧客単価をアップさせる施策が今後の重点戦略になってくる。