5月11日のNECの発表によって、大手総合電機メーカーの2005年度決算が出揃った。ソリューション事業の赤字案件は大幅に減ったが、いまだ復調の足どりは鈍い。サーバー、パソコンは需要拡大の一方で価格低下が響き、収益拡大に課題を残す。一方、デジタル家電は絶好調で、増収増益の原動力となった。

 NECは半導体、モバイルターミナルの回復が遅れ、円高差損などにより営業利益は前年度比32.7%減となった。

 ITソリューション事業の売上高は、ほぼ前年並みの2兆1746億円、営業利益は前年度比22.9%減の817億円。うちパーソナルソリューションの売上高は3.5%増の7495億円。SI/サービス分野は、前年度並みの8324億円だった。SI/サービス分野の「収益力は順調に改善しているが、保守事業は想定以上の厳しさ」(的井保夫・取締役執行役員専務)で、ITソリューション事業の営業利益率は、04年度の4.9%から3.8%に低下した。

 東芝は、全セグメントで増収増益となり、家電部門も黒字化、「それなりにいいパフォーマンスを出せた」(笠貞純代表執行役副社長)と評価する。パソコンなどを含むデジタルプロダクツ部門は、前年度比114%の2兆5365億円と高い伸び率となったが、営業利益率は0.8%にとどまった。「昨年度の0.3%に比べれば改善したが、今後の大きな課題」とした。パソコンは海外が好調で、売上高は前年度比112%の8527億円、営業利益は34億円だった。

 日立製作所の情報通信部門は、ハード部門ではストレージ関連製品の売上高が前年度比10%増となり特に好調だった。ソフトおよびサービス部門では、プロジェクトマネジメント強化により営業利益が約70%増加した。

 富士通は、サーバーなどシステムプロダクトが北米・欧州で好調に推移、増収となったが、国内は価格低下の影響で減収。海外のパソコンは堅調に伸びた。ソフト・サービスでは、年間約100億円の不採算案件が発生したが、「クォーターベースで20億円程度と踏んでいただけに通常の範囲内」とした。前々期の年間400億円からは改善が進んだ。

 シャープは、売上高、利益ともに3年連続過去最高。大型液晶テレビ、携帯電話などのAV・通信機器部門の売上高が1兆909億円(前年度比12.2%増)と初めて1兆円を超えた。

 ようやく回復の道筋が見えてきたのがソニー。ブラビアの成功に勢いを得て、1月の上方修正見通しをさらに上回る業績となった。エレクトロニクスは、液晶テレビ、リアプロの好調で1.7%の増収。

 松下電器産業は、4期連続増収増益。構造改革は05年度で終え、「06年度は3か年計画の総仕上げとして営業利益率5%の実現に取り組む」(中村邦夫社長)。プラズマの大型化、ハイビジョン化を加速、グローバルシェア40%(05年度は35%)を目指す。デジカメは「昨年度の2倍にあたる800万台の出荷を計画、シェア10%を目指す」(川上徹也・代表取締役副社長)。