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SPSS 顧客の不満もとに業務改善ビジネス支援の新戦略「EFM」 電話記録や文書を一括分析 データマイニングツール拡販へ

2006/05/29 17:51

週刊BCN 2006年05月29日vol.1139掲載

 データマイニングソフト開発・販売などのエス・ピー・エス・エス(SPSS、ジャック・ヌーナン社長兼CEO)は、ビジネス支援戦略「EFM(エンタープライズ・フィードバック・マネージメント)」という新コンセプトを提唱し、この概念を実現するためのソフト群「SPSS Dimensions(ディメンションズ)」の拡販を強化する。

 EFMは、顧客や株主、従業員などのステークホルダーの要望や不満の声を情報システムで管理し、業務プロセスの改善や事業拡大施策に活用するためのコンセプト。

 実現するための情報システムでは、ウェブ上のアンケート調査データや、電話での問い合わせ通話記録、FAXやはがきなどの紙文書といった、異なる形式のデータを一括収集して分析するため、大規模なシステムが必要になる。世界的にみれば2年ほど前に提唱されている概念で、「欧米企業ではすでに一般的で、IT産業界でもEFMを実現するためのツール群が徐々に浸透し始めている」(ヌーナン社長兼CEO)という。

 EFMを行うためのツールとして同社では、「SPSS Dimensions(ディメンションズ)」というツール群を製品化している。SPSSの親会社である米SPSSは、日本だけでなく海外市場でも同製品を展開。ヤマハの欧州拠点や米UPSなどが同社のツールを活用しており、世界レベルで約1000企業に納入した実績を持つ。日本ではまだ浸透しているコンセプトではなく製品販売も世界市場に比べ出遅れているが、「EFM実現のツール」として明確に打ち出すことで販売を強化することにした。

 「ディメンションズ関連製品の売り上げで、日本市場が占める割合を10%まで引き上げる」(村田悦子・上級副社長)ことを目標に、まずはデータマイニングツールの販売で過去実績が多い教育機関に、直販営業を強化する。

 また、「これまで全販売実績のうち約8割が直販」(村田氏)と代理店を通じた間接ビジネスは消極的だったが、ディメンションズに関しては2-3社の代理店を募集し間接販売も始める。
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