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カシオ 多様な商品の相乗効果を追求 販売網の相互乗り入れを積極化
2006/06/05 17:54
週刊BCN 2006年06月05日vol.1140掲載
同社の法人向け商品群は多様だ。決算では、情報機器部門としてくくっているが、営業面では従来はシステムソリューション営業統括部が担当していた。商品としては、人事統合システム「ADPS7」、ハンディターミナル「CASSIOPEIA(カシオペア)」、LED4連タンデム方式を特徴としたカラーページプリンタ「SPEEDIA」、電子レジスター、データプロジェクタ「CASSIOPEIA PRO」、それにオフコンの「楽一」やバンキングシステムなどである。2006年3月期決算によれば、こうした情報機器部門の売上高は486億円で、今期は2.8%増の500億円を目標にしている。
これまで各事業部門は歴史的発展経過が異なるため、「プロジェクターではSIerルートの開拓が進んでいるのに、他の商品は持ち込めていないなど、各部隊がバラバラな動きをしていた。2年前からシナジー効果を発揮するにはどうしたらよいか、いろいろ模索してきたが、今年はそれを形にする年だ」と樫尾取締役は強調する。
そうしたシナジー効果を出すため、コンシューマ市場を対象にしていた国内営業統括部と法人向け製品を担当していたシステムソリューション営業統括部を4月1日付で統合、国内営業統括部とした。初代営業統括部長に就任したのが樫尾取締役だ。「シナジー効果を出すためには、それにふさわしい商品をまず開発する必要がある。ADPS人事統合システム7やSPEEDIA N3500などの競争力のある商品を持って、販売網の相互乗り入れや新規ルートの開拓を今年は本格化させる」のが当面の戦略だ。
カラーページプリンタでは、一般オフィス向け販売にも力を入れる方針を打ち出しており、「当面は、事務機・文具ルートの深堀り」で対応する。
「カラーページプリンタの場合、当社は流通、学校、医療、建設などの業種で高い評価を得ている。こうした業種特化路線を維持したうえで一般オフィス向けにも入っていく。ただ3社(リコー、キヤノン、富士ゼロックス)の壁が厚いことは重々承知しており、身の丈にあった事業展開を目指す」と意外に慎重な構えを示している。利益率10%以上というのは全社目標の一つだが、これに沿った戦略でもあるようだ。
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