ネットワークとセキュリティ製品開発・販売のディアイティ(dit、下村正洋代表取締役)は、ヒューコムのセキュリティ事業を吸収して事業基盤を強化した。とくに、脆弱性検査などのコンサルティングサービス体制に厚みを持たせた。ITベンダー向け卸売り事業をメインとしているが、新事業体制の整備によりユーザー企業向けサービス事業も今後は拡大させる。ユーザー企業向けビジネスを3年後には今年度(2007年3月期)の約5倍にあたる15億円に引き上げる。

 同社はヒューコムの業績不振を受け、今年6月1日に同社のセキュリティ事業本部と西日本支社が持つ製品・サービスおよび人員を引き継いだ。そのなかでも、これまでditが手薄だった分野は、主に脆弱性検査サービスやヒューコム関連会社のサイバーソリューションが提供するシステムの運用・保守サービス。

 ditのビジネスは、ネットワークとセキュリティ機器の販売と付随するSIで、主な顧客先はITベンダーだ。今年度の売上高のうち、ユーザー企業向けのビジネスは3─4億円で全体の10%にとどまっている。下村代表取締役は、新事業体制を整備したことで、ユーザー企業向けのビジネスを増やす計画を示している。現在は、内部統制やコンプライアンス体制強化のニーズが高いことから、脆弱性監査サービスや業務フローの見直しまで踏み込んだセキュリティ体制構築支援のためのコンサルティングサービスが、ユーザー企業から見込めるという。

 情報システムの脆弱性監査サービスや、顧客システムを遠隔監視して、システムの運用を代行するサービス体制を新たに構築できたことで、「セキュリティ対策のライフサイクルすべてを提供できる企業になった」と自信を示している。

 3年後には、ユーザー企業向けビジネスを今年度の約5倍にあたる15億円まで引き上げる計画。全体の約40%をユーザー企業向けビジネスが占める予定だ。ユーザー企業向けビジネスを増やすうえで、営業担当者は拡充する予定はないが、SEの数を増やす見通しでサービス提供体制を拡充する。